前述のとおり、444書はお題「海」での
投稿受付を終えた。
投稿くださった33作品のなかから、いくつかの作品を取り上げたい。
インドの仕立て屋さんの
藤和さんには
「海に星が降る」
という作品を投稿いただいた。
きれいな作品だなあと思う。
この作品を読むと、ふらっと海に星を見に行きたくなる。
星を追いかけているうち、失ってしまうかもしれない何かに怯えながら。
天狗の会文芸部門分科会の
岸本めるさんには
「海は伊達に広くない」という
ナゾ作品(?)を投稿いただいた。
「私、鵜飼ヨソ実。今日も一途に仕事するわよ、はー、ヨッコラショっと。」という
書き出しで「ファッ!?」となる。
天狗の会の天狗たるゆえんを感じられる魔力ある作品といえよう。
海と空と夜の
こうげつしずりさんには
「海辺の結婚式」という作品を寄せていただいた。
ノスタルジーを感じられる作品である。
幼なじみの結婚というのはキュンとくる。
はじまりの場所として、思い出の海を選ぶというのも。
こうげつしずりさん作品はほろにがくて、キュンと痛みを感じられる作品が多いように思う。
書籍のほうも期待していただきたい。
海といえば、あまぶんに人魚作品を多く寄せてくださっている
片足靴屋/Sheagh sidheの
南風野さきはさん作品
「海と硝子瓶」
も見逃せない。
海のけはいを五感で味わいたくなる作品だ。
南風野さきはさんのなかにはきっと海があるのだろうと思う。
どうして海や人魚の話をえらぶのか、いつか訊いてみたい気がする。
七歩さんには
「海の秘密」
という作品を投稿いただいた。
いわくのあるタイトルだ。
「泣かないで」という書き出しもいい。
泣きそうなとき、ふと思い出してしまいそうになる。
海のふるさとをふと触れてしまう。
以上で紹介とする。
全ての作品を取り上げることはできず、恐縮だが、
「海」にまつわるたくさんの作品を楽しませていただいた。
さいごのお題「僕の/私の本屋さん」についても
たくさんの投稿を期待している。