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2015年の夏、最初にこの本と知り合った時、看護師として働く日々や、自身の経験の中から、自然に浮かんでくる言葉の率直さに、大きなショックと、強い力が湧きあがった。それはまた、2007年、高校生だった頃に「グランジ」という言葉を知るきっかけになった音楽、フィーダーの『ポリシーン』というアルバムから受けた感動にも、よく似ていた。 短編に収められた「ガーゼ」「新生児」を、そにっくなーす自身の朗読で聴くと、どうしようもない悲しみや、人の本質的なところを、ザクザクと切り崩して表す言葉の重さと、しなやかで慈悲深く、優しい心の両方を持ち合わせていることに、大きな感銘を受ける。それは、彼女が生きるための活動の中から、自然な形で生まれてきた。 現役の看護師として働き、昼の勤務、夜から朝の勤務に精魂を傾けながら、「そにっくなーす」の名で本を書き、歌詞を書いて歌うシンガーソングライター。その両方が、日々を生きるために大切なものなのだ。『グランジナースの死』にも、その活動から湧きあがった言葉が収められている。 | ||
タイトル | グランジナースの死 | |
著者 | ひのはらみめい | |
価格 | 400円 | |
ジャンル | 純文学 | |
詳細 | 書籍情報 |