少女の故郷は、瞬きの間に凍った。 霊峰マジュヒックの麓、ベルフ村に住む少女ラウは旅を余儀なくされる。全ては、世界に漂う妖精が一因となる氷を溶かす力を持つ、南の果ての森に住まう魔女に会うために。そして、村人と実りごと凍った村を救うために。 道連れの一匹は、魔法の力添えを経て繋がる《朋番》の雌狼ミシャ。 背に弓を、腰に剣を、瞳に使命を。一人と一匹、予断も許さぬ雪中行軍が始まる。 極寒の旅路…

少女は星を探している。願いの叶う星を、探している。 これは、『願いが叶う星』を探す少女フィスチェ（年単位で旅をしているのにへっぴり腰が抜けきらない）と、相棒のぬいぐるみシオン（ぬいぐるみのくせに声は渋いし性格は悪い）の、世界と世界を転々と渡り歩く旅路の断片集。

見上げれば、突き抜けるように広がる青空が広がっていた。 異世界×青空をテーマにした一人アンソロジー、またの名を短編集。 基本は爽やか晴れやか、読んだら空を見上げたくなるような明るいお話たちをご用意しました。 into the sky：落ちてきた少女は、馬の四肢を持つ風の大妖精!?　まじめ少年と傍若無人大妖精様の手助け物語 駆けよ、快晴：旅の相棒はいつもトラブルに嬉々として飛び込む。頭痛…

怪盗とは、ビジネス業の一つである 稀代の巨匠が生み出した、膨大なまでの作品群。 歴史を切り取るだけではない、【F=ガレリアッゾ】の作品たちを求める者たちが真に欲するは――。 とある怪盗コンビ、ジョニーとベンが目を付けたのは、貿易港の倉庫に眠る一作。 発見されてから一度も公にされていない事実を訝しみつつ、ここぞとばかりに実行するが、待っていたのは――所有者？　それとも引き取り手？ …

怪盗は、詐欺師であり奇術師である 稀代の巨匠が生み出した、膨大なまでの作品群。 歴史を切り取るだけではない、【F=ガレリアッゾ】の作品たちを求める者たちが真に欲するは――。 願いを叶える美術品と【とある怪盗】の、小さいのか大きいのかさえ分からない物語、ひそやかに開幕。舞台は大都市、暗躍するは『泥棒泣かせの大怪盗』 金のためでも手段は選ぶ。シナリオ通りに進めるコツは、大根役者を起用し…

『自らがうつくしいと思えるものの蒐集』を生業とするまほうつかいの【よひら】が次に買ったのは、見目麗しい子どもであった。 箱庭のような洋館で悠々自適に暮らすよひらと、【晶】という名前を与えられた子ども。そして度々現れる不可思議な来客たち。 流れる時間は穏やかなれど、確かに季節は移ろい、過ぎてゆく。 ただただうつくしい、命の物語。