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理性的な狂気 |
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タイトル | グランジナースの死 |
著者 | ひのはらみめい |
ブース | A-18 |
紹介文 |
看護師目線から語られる現場のリアル、 と書けばあっさりしてしまうのですが、 この作中で描かれている風景は「そんなもんじゃない」。
これは世代唯一のサイコパス「グランジナース」による戦いの記録だ。 その白くやわらかそうな手のひらに乗せられた死と、 その背後に背負っている名前の付けられない何か。
ノイズミュージックを浴びるように暴力的に読んでほしい本です。
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揺るぎのない耽美。 |
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タイトル | ビオトープ |
著者 | こんにゃく |
ブース | なし |
紹介文 |
細かい描写がしっかり入っていて、きゅんとくる描写がたっぷりあって、 想像を膨らませながら読む層にはたまらない一冊だと思います。
象徴的だったのが 「おやますわりでまっていて」 「モーリー」 「BrokenYouth」 の3作品。
特に好きなのは「BrokenYouth」です。
特別なことなんてなんもない でもなんだか特別になっちゃいそうな でも何も起こらない そのぎりぎりの感じがリアルで、どうしようもなく愛おしくて、 あったわけでもない空気感が妙になつかしくて、 すごく大切な気持ちにさせてくれるのです。
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とっても可愛い女の子 |
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タイトル | METEOREP |
著者 | 木野誠太郎 |
ブース | D-53 |
紹介文 |
とにかく女の子が可愛い。
外見や仕草の描写が適切な場面で適切に書き込まれていて、イメージしやすい。
細かく幻想的な世界の中で 女の子が「動いて」いるのがたまらなく可愛い。
特に素晴らしかったのが1作品目、「青空さんのメテオ」。 青空さんが、すごくかわいい。 それが全てだが、唯一ではない。 ふわふわの青春です。
メテオの代わりに少女が落ちてきそうな夜に。
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泣きながら、圧巻の結末。 |
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タイトル | イカサレ |
著者 | 山本清風 |
ブース | A-27 |
紹介文 |
これを読んだとき「悔しくて」たまらなくなった。 なんてことしやがるんだろう、と。 それぐらい、心を抉られる結末。
女の子の心地よい関西弁と、軽い文体にはそぐわない 重みのある文章。これこそ「純文学」。
ストーリーは続編の「夜の信号が何処までも青なら」に続きます。 しかしそこに救いがあるかどうかは、私は口を噤みます。
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淡々と、青い春 |
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タイトル | スローカーブを、もう一球 |
著者 | 山際淳司 |
ブース | なし |
紹介文 |
私が小説を読みだしたきっかけと云ってもいい本。 といってもノンフィクション集です。
山際淳司がこの世界で知られるきっかけとなった 「江夏の21球」も収録されています。
球史に残る名シーン「江夏の21球」がそうであったように、 出来事は「記述」によって初めて意味を与えられる。 もしかするとそれは、作家の幸せと云っても傲慢ではないかもしれない。
淡々と文章を味われる、とてもおいしい一冊。
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歴史小説の「ことはじめ」に |
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タイトル | 切腹事始 |
著者 | 唐橋史 |
ブース | なし |
紹介文 |
歴史小説のアンソロジー集「日本史C」を読んだ中で一番面白かったのが このアンソロジーの主宰でもある唐橋さんの作品でした。
単著で読みたいと思っています。
歴史小説は現代の我々が読むには「壁」があるように感じて 楽しんで読むことが、私には難しいのですが、 唐橋のものはそうではない……楽しんで読める……ような期待をしています。
文章が端正で美しく、展開や表現に面白さがあって、 エンタテイメントとしてレベルの高い作風だと感じています。
今まであまり読めなかった歴史小説の入り口として。 楽しみにしています。
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この世界を自由に遊ぶ名前を持たない女の子 |
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タイトル | キャンディと王様(全3巻) |
著者 | にゃんしー |
ブース | D-01 |
紹介文 |
尼崎×女の子×野球、をモチーフにした女の子の草野球小説です。
野球を通じていろんなものと向かい合う 女の子の切実さを描きたかった。
鉄道と川に囲まれた 守られた町「千船」で 少女の夏というたった一度の季節を 野球に托す。 ドラマではない。 もっと切実に強く痛む。
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