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「まだらな二人」(虎翳石:トラコナイト編)より抜粋 |
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グーで変化に手を伸ばす グーチョキパー、のグーです。 地に足のついた力強さのあるタッチで描かれた、毛色の異なる四つの短編。 空石 「At The SEVENTH Heaven」 地球の重力に逆らい浮遊する人類の居住地域「天球(ヘヴン)」。その「第七天(セヴンス)」へ降り立った異天人(バルバロイ)たちは支配に満ちた地に一体何を見出し何を思うのか。 血石 「死闘! 四本腕の男!」 第何話。と見出しがつきそうなホウガイアクション。帝国軍に届いた果たし状、それを受け機巧魔術捜査課の強者たちが出張るーー 虎翳石 「まだらな二人」 やりたいこと「お笑い」をやっている清水と俺のコンビだが、生活はぎりぎりで笑えない。リアルな会話、描写で紡がれる人ふたり分の悩みとその結論。 霊石 「霊石イオピリアスについて」 ロケットでブラックホールへと向かう僕と飼い猫ホメオパシー。独白と回想は収束していく。霊石イオピリアスとは、如何なるものであるのか。 | ||
推薦者 | 桜鬼 |
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ぼんやりとした、いまそこにある手応えの薄い、けれどもそれだけにリアルな未来への不安 収録された四編の風合いを表せば、こうあらわせるだろうか。 空石「At The SEVENTH Heaven」 天に浮かぶ天球……滅びゆく第六天から第七天に逃げてきた仲間の物語。 第七天にも問題があり、その問題は、仲間の不協和音となる。 鎹となる人物はすでに失われているなか、来たるべき次の厄災に主人公たちはどう向き合うのか…… 血石「死闘! 四本腕の男!」 コミカルな表題、原色の色合いの特徴の際だったキャラ設定。 物語もテンポ良く進み、からりとした読後感。 しかしながら解決された問題の背後にあるものの不快な手触り…… 虎翳石「まだらな二人」 支え合っているのか、依存しているのか。 そもそもそれは区分可能な関係なのか。 ふたりの関係に関するきっぱりとした決意にもかかわらず、自分たちの未来を見詰めるふたりの視線には、独特の影がある。 霊石「霊石イオピリアスについて」 閉じた世界。主人公には迷いはない。 しかし、神視点の読者が見通す世界は昏く不安なものに満ちている。 舞台はSF風、FT風、現代もの。 対人関係への、世界への、ぼんやりとした、リアルな不安……それは現実にも存在し、名付けられることなく我々が内包しているものかもしれない……を感じられる作品。 | ||
推薦者 | 宮田 秩早 |