|
|||||||||||||||||
眩む光。それから? 声。順番は、たぶん。蓋が開いたんだというのはだいぶたってから。マーナが泣きながら抱きついてきたので、外にいるって気がついた。 |
| ||
セリちゃんかわゆいかしこい!! 賢い子はね、美味しいです(いいのかその表現で)。 「花街?」って思ったけど娼館とそれに隣接する食堂が舞台で、なるほど花街。 攫われて助けられた(?)10人の少女が居場所を見つける話です。 レジーディアンの覚悟は身に染みたし、その道に進む躊躇いがありありと感じられた。 一つを過去の箱に入れることが前に進むための準備になることってホント多いんですよね。 彼女にもエッダのような結末があってほしいと願う。 で、やっぱりセリが可愛いんですよ。 賢くてこまっしゃくれてて(あれ? 褒めてない?)、 暗算が得意なのは、普段書類の枚数数える業務だけで頭こんがらがってる私からしたらとてつもなく羨ましいし、なんのかんのササヅキからも信頼されてるよな、と。 10人の少女たちは、もちろん必要に迫られてなのだけど、 ちゃんと「生きていく道」を見つけて「手に職」をつけて、すごくたくましい。 元気が出る本です。オススメ。 おまけのR付き冊子もきゃわゆくてよいです。 しあわせなえっちはいいぞ。 いいぞ。 | ||
推薦者 | 氷砂糖 |
| ||
まるた曜子さんの「花街ダイニング」は、女の子たちが身を立てていくことの「選択」がテーマ。過酷な状況から始まるけど、みんな可愛くてなんとかなるので、元気出したいときにおすすめ! 現実の児童虐待や人身売買、戦争や貧困とも重ねられる背景が色濃いが、西洋ファンタジー調の世界観で包んで、時折コメディタッチのドタバタ劇も挟んで、子どもたちの力強さに焦点が当てられる。まるさたんの、とっても深刻な話が元気良く進む作風は個性だなあと思います! 個人的にはレジーディアンやマーナが好きです。百合ってよりは、シスターフッドだ!ササヅキは、いい投資したね!お幸せに!!! | ||
推薦者 | 宇野寧湖 |
| ||
産業革命以降のヨーロッパを思わせる世界。 紡績女工になるはずの十人の少女が、悪い人買いに攫われたところを退役軍人ササヅキに助けられ、一人、また一人と自分ひとりで生きる道を掴み取って行く痛快エンターテイメントです! 十人みんな、得意なこと好きなことが違うし、キャラが立っていて楽しいです。計算が得意な子、文章を書くのが上手な子、パンを作るのが大好きな子……。 私は何にもできないエッダと、心優しい豚飼いの大男ニタの話が大好きでした。 そして美しく誇り高いレジーディアンの生き様は、特別に印象的でした。 最年少だけど一番賢いセリの活躍が小気味よいです。 こましゃくれて、年齢に似合わず頼もしい彼女。それだけに、ササヅキにすがりついて自分をどこにもやらないでほしいと泣き叫ぶシーンは、この幼いセリがこれまでどんな人生を歩んできたのかということに思いを馳せずにはいられません。 R別冊はもう、二人がここまで辿ってきた道のりを思って「よかったね!よかったね!」という気持ちで胸がいっぱいに……。空腹が最大の調味料であるように、そこに至るまでの長い過程こそが最大のエロスなんだということを実感します。 生活感溢れるファンタジー群像劇。軽妙な語り口で苦労なくスイスイ読みすすめてしまえるのですが、登場人物それぞれの人生が複雑に交錯する、かなり長い時間の物語なので、これを書くのはとても難易度が高いのではないか……などと思ったりします。 圧巻の筆力。安心してお楽しみください。 | ||
推薦者 | 並木陽 |
| ||
おんなのこ可愛い。可愛いだけじゃなくて、みんなちゃんと自分を見つめて、好きなことや得意なことを見つけて伸ばしていくところが素敵。そうせざるを得なかった、誘拐事件は不幸なことかもしれないけど、それを踏み台にして高いところに飛んで、新たな視点を見つけられるのは幸せなこと。子どもたちみんな幸せになってほしい。 ササヅキが「お金(お前たちを養育・教育するには経済的負担がある)」と「教育(借金を返済するためには稼がねばならない、稼ぐには教育が必要だ)」について少女たちに説いたのはすごくフェアで、この作品のキモでもあるわけですが、それを突き詰めると、「お前たちにはその価値がある」となるのが素晴らしい。(口減らしのために売られるはずだった子たちにそれを言い聞かせるんですよ!) セリやレジーディアンはじめ自分の道を歩く子たちはもちろん最大限にお祝いするけど、ホーリのようにうまく歩けない子もいて、彼女らを努力友情勝利の方程式に組み込むのではなくて、セーフティネットで受け止めているのがまるた作品が社会派な所以だと思う。 本好きとしては、ハルタと辞書のエピソードが好きなんですけど、もしかするとヨークンドが好きということかもしれない……。 まるた作品の女の子は一言で言うと「自立」、自分から動き、愛することができる子が多い。恋愛ジャンルの作品でも彼女らが自分で考え、手に職をつけて自分の人生を歩んでいた「から、そのご褒美として愛が与えられたという構図ではない」ことが読んでいてとても爽やかで気持ちいいし、そうだよこれだよ、って思う。 この「花街ダイニング」も、ささやかなエピソードが登場人物に深みを与える上質エンタメかつ歳の差! 長さがちっとも気にならない成長譚! おすすめです。 (R18のおまけ冊子はご褒美的ムフフなお楽しみです。えっちいのがお嫌いでなければぜひともR18版をどうぞ) | ||
推薦者 | 凪野基 |