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あまぶんウェブショップ

販売は2021年7月31日をもって終了しました。
たくさんのご注文をありがとうございました。
  • 帆影

    水門惺海
    700円
    詩歌

  • 蜻蛉/混濁圏/鯉/天現寺橋/或る住宅/縮図/炎天下/終日/おたまじゃくしの透明/20.05/
    神殿跡/時をかける/神域/without the coat/夏檸檬、/breaktime/銀鴎/early morning/
    鴎を眺めに往ける日は/黎明/練習風景/花曇りの薬玉

試し読み

 神域

へそを曲げた雨空
その溜りに溜まった鬱憤
灰色い雲の厚みを仰ぎ見る
が、そこにあるのは赤い光
いくつものバベルの
言語はもはや外見ばかりに留まらず
内側から断絶を生んでいく
地上60メーターの神域
今は、雷が流れてみえるところ
そして、侵すものも侵されるものも
人であるのだと定義された領域




 おたまじゃくしの透明

天板にみずのたまが育つ。
オフィスが位置する六階の、
何某かを支える鉄骨の、
縁にそれらは並んでいる。
窓硝子越しにも雨は点線を描いている。
タイプ音と書類をめくる音、
彼女は咄嗟に口を塞いだ。
それはシュークリームだった。
差し入れにと置かれた白い箱は、
甘く重たく淀んでいた。

彼女の空想の中、彼女の腹の中でそれは
中から剥がれなくなった。
肌色に滲む。
彼女はゆっくりと顔を上げる。
雨が止んでしまうと、もう
みずのたまはそこで震えるだけだった。

――見えない、透明なおたまじゃくし。
そこから落ちて、落ちたあなたは
生まれ落ちたことになりますか。

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