きれいな文章だなあ。
文章が文章であればそれでよかった。
あえていえば「耽美」という言葉が当てはまるのかもしれないけれど、「耽美」をよく理解していないためほかの言葉を探してみて、「水」というものが似合うのかな、と思った。
この作品の文章は「水」だ。
たとえばこの作品を形容するとき、「耽美」のほかにも「幻想」「少女」「救い」というものが思い浮かぶように思う。「耽美」を「水」と言い当てたように、ほかの言葉にも別の座標を写像するならば、「幻想」は「あぶく」、「少女」は「さかな」、「救い」は「息継ぎ」ともいえるように思う。
この作品は「息継ぎ」をさせてくれる。
「さかな」のような人々に、この作品を読んでほしい。ふっと息苦しくなったとき、還るべき水中を、文章のなかに求めるように。
にゃんしー