自由詠

わたし以外部屋誰もいないのに灯を消さず布で覆う眼

飼い鳥の長い風を切る羽を逃げないようにと切る毒親

管理下に置いて日の目にもあてずかくした吾子の牙に砕けろ

贈り物はインク染みの中にはないみたいで聴診器の底

こっち見ろという無言の視線 ママだってまだ愛が欲しくて

行きたいのならばクラブへ行くのね一人の部屋よりあまい孤独

かぐわしい花の匂いも、好きが消えたらむせ返るほどにきつい

漫然と動く自動機械のように過ごしててもバレないよね

コクトオ三島安岡堀辰雄万年床服薬カレンダー

梟の城で初めて目を見て話してくれたひと月かけて

      ■ ひのはらみめい

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