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星が瞬いていた。 |
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12世紀ヴェネチアを舞台に、亡国の王と商家の娘が出会い、取引し、ともに時間を過ごして結ばれる、甘々らぶらぶの歴史ファンタジー。FT好き、歴史好き、吸血鬼もの好きな方に宮田作品入門としてお勧めできる一冊です。 大作ですが、導入部の邂逅から、信頼をめぐるやり取り、絢爛な夜の住人と堅実かつ質素で現実的な昼間の生活のギャップ、当時の風俗や文化、失われた国の過去語りなど、ストレスのない展開で一気に最後まで連れて行かれます。まさに満漢全席。すごく贅沢な読書体験でした。 聖書を暗唱する吸血鬼ガルシアと従兄弟のアシエルのぶっ飛んだところを、シルヴィアの生活感あふれる可愛さが埋めてくれる(そしておじショタことヘルメス君が適宜ツッコミをくれる)関係がともかく面白いのでそれだけでぐいぐい読めます。クライマックスの仮面祭のシーンは圧巻! | ||
推薦者 | 凪野基 |
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かわいい人間とかわいい吸血鬼しかでてきません。ザ・ロマンス、なのにどこか愉快。 シルヴェラが勇気と思いきりで生きてて、そのくせ銭勘定はするとこkawayui〜。 「男勝り」ではないけど時代背景考えたらすごい行動力だし、つかみ取るもの施されるもの決断の難しさ、そういうものが淡々と丁寧に綴られていて、読んでいてほっこりワクワクしてました!マジこーさあ、女を武器にしてないのに柔らかくてあったかいのっていいよねー(心のおっさんがむせび泣いてます)。そんでめっちゃラヴかった。いっちゃいちゃだった。ひゅー。 歴史改変(架空)ですし私は歴史浅いのであまり言う言葉はないんですが、『王』というパーツがどういうポジションなのか、歴史物だと語られることが多いですけど、こちらもまた亡国を抱えて生きる苦悩が描かれていて、『国とはなにか』を問う物語でもありました。舞台の威尼斯にしても、いろいろなるほど、と。 そして選択を迫られる中、動いた人物は意外ではありましたが、覚悟が厳しい。ともするとそれは余計なこと。それでも、たとえ憎まれても、為すべきことを為す。難しいところだけど認められてよかった。 あと「彼」はお式の描写に出てこなくてなんで?って思ってたらそんな可哀想なって…笑ってしまいました。 だいたい笑っていられます。分厚いけどすっきり。なぜかカラーページも充実。ラヴをもだもだ楽しみたい方ぜひ。 | ||
推薦者 | まるた曜子 |