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そうだよ、また浮気しにきたんだよ。 |
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どうして美しいものを読むと悲しくなってしまうのだろう? そんなことを考えた。 この書籍には、美しいものしか書かれていない。 例えるならタイトルの通り、薄闇のなかに咲くひとひらの桜花。 わずか40ページ。 しかし物語がそぎ落とされるほど、それを分母として 全体としての数は無限大に拡大していく。 悲しくなるのは、きっとそこに世界を見いだすからだ。 世界は悲しい。生きることは悲しい。 それを言葉にすることなく、ただ目の前でエロティックに示してくれる ストリップ・ショウのような一冊だった。 そこには声もない、しずかなだけの涙がある。 本作のジャンルはJUNEである。 前回ほど明示はしていないが、尼崎文学だらけではJUNEに明確な定義を与えている。 それは「異性愛ではないもの」。 本作は男娼をモチーフにした話であり、単純に読み取るなら同性愛の話である。 もし可能であるならば、少しだけ拡大解釈してほしい。 物語に描かれた、男娼の「異性愛ではないもの」を。 それは言葉にしなくてもいい。ただ感情として、携えていてほしい。 | ||
推薦者 | あまぶん公式推薦文 |