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あまぶんウェブショップ

販売は2021年7月31日をもって終了しました。
たくさんのご注文をありがとうございました。
  • 変身ヒーロー・ヒロインズ

    服部匠
    300円
    エンタメ
    ★推薦文を読む

  • これが!俺の!私の!変身ヒーロー/ヒロインだッ!
    おっぱいに命を燃やす戦士「白銀の戦士シルバーシザー」
    バリスタ姿で戦う二つの顔を持つ男「ネロ・バリスタ」
    わたし、織姫と彦星の娘です!「七夕星羅の秘密の夜」
    アラサーOLは少女怪盗!?「怪盗C・Bはあきらめない!」

    オリジナル変身ヒーロー/ヒロインのニチ●サ風味な「第一話」だけを収録したお気軽な短編集。

    A5|44p

試し読み

【白銀の戦士シルバーシザー】

 右手に握ったハサミが、銀の光を放ち、輝く。
 静かだった日曜日の図書館に、どこからともなく風が現れ、本のページがパラパラと激しく開かれる。まさに紙の嵐の中、俺はかっと目を見開いた。
「カァァァァット!! ドッターァァァァァァラインッッ!!」
 手にした銀色のハサミを、天井を貫く勢いで突き出し、変身スペルを叫んだ。
 すると、俺の頭上に現れたのは、白い点線。通称『切り取り線』は、四角に空間を切り取り始める。黒い四角の空間から、白銀に輝く戦闘用スーツ『シザースーツ』が現れ、舞い降りた。
 キィン! と金属音が響き、シザースーツが俺の体に装着されると、まばゆい白銀の輝きが周りを照らした。
「白銀の戦士、シルバーシザー見参! おまえのその汚れ、切り取ってやるぜ!」

【ネロ・バリスタ】


「ここから離れて」
 くぐもってはいるが、落ち着いた男の声。戸惑っていると「早く」と促され、声のままに後ずさった。
 鐘洞が下がったことを確認した男は、なにか巨大な棒状のものを振りおろし、反撃し始める。
 ガキン、ガキン、キィン! 金属音が激しくぶつかる音が、闇の中から聞こえてくる。
 物陰にしゃがみ、隠れて様子を伺う鐘洞が見たのは、街灯の光を受けて反射する銀色の輝き。男が両手で持つ巨大な棒は、よくよく見ると、鐘洞が日ごろよく使うあるモノの形をしていた。
(エ、エスプレッソマシンのホルダー!?)


【七夕星羅の秘密の夜】


「銀漢の雫よ、織姫と彦星の娘の祈りに応えよ」
 私の声と同時に、降りてきた星と、銀漢の雫が共鳴し、光った。
そして、私の体がまばゆい光に包まれると、羽衣のある、ピンクを基本とした着物風の服に変化した。あーあ、鏡を持ってこればよかったなあ、うまく変身できてるのか、不安になっちゃうよ。
 それでも私は気を取り直して、最後の仕上げの為に、すう、と息を吸う。
「天の川の輝きとともに! 七夕(たなばた)星羅(せいら)、短冊の願いを叶えに参ります!」

【怪盗C・Bはあきらめない!】
 私は冴名(さえな)いおな、32歳。地味以外取り柄のないOLです。
 ファッションや恋愛、結婚など、仕事以外はアウト・オブ・眼中な仕事人間だった私。
 だけどある日、祖父の遺言で生活が一変。
 秘酒の力で12歳の子供に変身し「怪盗C・B(チェリー・ボンボン)」としてお宝を盗み出すことに!

日曜朝というより、金曜夕方

最高である。

変身ヒーローヒロインは一見テンプレお約束の集合体に見えるけど、それぞれに主義主張や戦う理由があるのだ。
ということが再確認できます。
変身ものは全部一緒だとか思ってはいけないのです

おっぱいおっぱいうるさいけど真っ直ぐそうなシルバーシザーが一番好き。今後の女の子との絡みもニヤニヤできそうですね。

ネロ・バリスタは普段冴えないのが良いですね、気づく日はくるのか。なんとなく、高瀬健を想像した(マシンマンです)

七夕星羅は活動日数狭いのがよい。転校生気になる。

C・Bは再読なんだけど大人からが良いですよね、次回予告見る限りやっぱりサブタイは「〜あきらめない」縛りなのかしら。ときめく

小高まあな

実写ドラマ化・アニメ化不可避、じゃなくて不可! (……「アレ」は)

こちら、所謂ニ○アサ的な変身ヒーロー・変身ヒロイン物の「第一話」が計4本収録されている短編集、なのですが……

冒頭の「アレ」の勢いが、半端じゃないです。

ヒーローのコダワリポイントが余りにアレ過ぎて、実写ドラマ化もアニメ化も無理無理無理、ヤバイっす(汗)。あの強烈なキャラクターの●●●●連呼は、お子様には刺激が強過ぎて、とても聞かせられません! ……あー、大人な我々なら大丈夫です、多分(笑)。実写ドラマ化・アニメ化にはハードルの高過ぎる怪作もとい快作なので、原作小説で我慢しましょう! (おい)

冗談はさて置き、短編を集める本では、冒頭でぶちかますのが効果的だよなあ……と、しみじみ感じる一冊でした。私個人は、二作目に登場するヒーローであるネロ・バリスタこと荒尾《あらび》君の方がキャラクターとしては好みなのですが、もしも掲載順が逆だったら、此処までの勢いを感じられたかな? とも思えます。
また、この短編集で面白いのは、どの作品にも「次回予告」が付いていること。煽り方に何処か「お約束感」があって、自分でもこの“文法”で何かを書いてみたくなったほど。

色々と刺激的な、しかし気軽に、一気に読み通すことの出来る作品集です。はい。

野間みつね