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    魔法菓子コレクション 総集編

    服部匠
    300円
    エンタメ
    ★推薦文を読む

  • 一度は食べたい 魔法菓子

    いぐあなさん主催のツイッター企画「#Twitter300字ss」(@Tw300ss)で主に発表している、魔法×お菓子×現代ファンタジーな世界観「魔法菓子シリーズ」300字小説のまとめ本。
    朝焼けの発泡水・氷の琥珀糖・活字の落雁・不思議な紫陽花……
    不思議で美味しい、魔力を含んだ食材で作られる「魔法菓子」の存在する世界での、さまざまな様子を描いた作品集。
    ※以前発行した「魔法菓子コレクション」分の再録と、発表した作品の再録集です

    文庫|56p

試し読み

【憧れのフレアスカート】

 洋裁店の軒先で、それは女の服だからと口早に言われ、強く腕を引かれたあの日。男だがフレアスカートのワンピースを着たいと思い続け早六十年。
 時は過ぎ、好きな服は好きに着ても良いのだとSNSや本は言う。
 しかしここは片田舎。年寄りには都会に行ける体力もなし。そんなある日、町に魔法菓子店が出来た。大目玉は「天使のケープ・ラム」を使った、服装変化の魔法菓子だ。
「思い通りの服装を、ほんのひととき彩ります」
 意を決して口にする。サクサクのメレンゲと甘いバニラの香り。年を取った体にはやや重たいが、心は期待に跳ねる。
 鏡の前には、憧れのフレアスカートをまとった自分の姿。
 いつ天使のお迎えが来ても構わんさ、とひとりごちた。

【カラカラと落雁の活字は鳴る】
 ある日、縁遠くなったと思っていた友人から手紙が届いた。
 封筒の中には、カラカラとした、小さな活字金型のような落雁とカードが入っていただけ。
 友人が魔法菓子職人になったと聞いたのは、何年前だろうか。
「君に食べてもらいたくなったので、贈ります」
 落ちぶれた小説家に活字とは、嫌味なのか。しかし、友人の天然ボケした顔を思い出し、気が付くと口にしていた。
 ほろりと溶ける落雁の味は優しく、清涼感があるのに、甘さがしみ込むようだ。

 なぜこんな上品なものをと考えていると、

『君の中にある物語が大好きだよ』

 と、活字が脳裏に浮かんだではないか。
 ――こぼれた涙が真白なノートに落ちる。握る気が起きなかった万年筆へ、手を伸ばした。

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人と人の間にある不思議なお菓子達

この世界には普通のお菓子だけでなく、魔法菓子という不思議なお菓子がある。不思議な効果を発するお菓子だけに、少しお高めのそれは、とっておきのお菓子として扱われ、食べられ……それだけに生まれる、様々な人間模様も描いた掌編集。
魔法菓子といっても、作るのは人で、送るのも、貰うのも人。だからこそ、甘かったり、苦かったり、ちょっと怖かったり、希望を与えたり。
まさにお菓子のように様々な味に満ちた美味しい掌編でした。

いぐあな