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    イリエの情景〜被災地さんぽめぐり〜2

    今田ずんばあらず
    1300円
    エンタメ

  • 勝手にオススメポイント
    ・第1巻刊行から1年間でシリーズ累計350部頒布突破!
    ・東京の大学に通う女の子2人組が東北を旅する、被災地青春ロードムービー。
    ・筆者(今田ずんばあらず)が実際に訪れて感じたこと、思ったことを参考にして描くフィクション。

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「言ったよ。今だって責めてないじゃないか。ニュアンスがずれて、勘違いしてたら困るから」
「勘違い? 勘違いって、なに? わたしの感覚とデータが食い違ってるって意味?」
「それは」
 三ツ葉の言葉が濁った。
「そんなの、とっくにわかってるよ! わたしの感覚はおかしいよ! 誰にも理解不能だよ! みんなわかってくれないもん! 嫌われたことだってあったよ! 中学それで絶交、で! もう、もう、こ、怖くて……だから自分の思ってること、言わないようにして。言いたいこと、たくさんあるのに、なんて伝えればいいのか……わたし、伝え方、忘れちゃって、もう、自分でも、言いたいのに……」
 なに言ってんだろ、わたし。三ツ葉の知らない過去話を持ちだしたところで、意味わかんないだけなのに。
 あの出来事があったからわたしはコミュ障になりましただなんて、そんなの言い訳にしかならない。
 ああでも、こんなに睨まれてる。三ツ葉があんな目するの、初めてだ。
 怖い。
 三ツ葉が怖いんじゃなくて、この状態から脱しようとするわたしが怖い。
 あとさき考えずに防波堤向かって走ればいいのに。そうするんじゃなくて、本心をぶつけたくて仕方がないのだ。〈彼女〉と同じことをして、関係をぶち壊そうとしてる自分が、こわい。
 思考回路上で逃亡しているこのあいだ、三ツ葉は視線を逸らすことなくわたしを見つめていた。
「み、三ツ葉、だって……」
 嫌われるんだろうな。
 心のなかで吐息を洩らした。思い出がめぐっていく。走馬灯だ。
 些細なことでケンカ、お別れ。おしゃべりできない。そしたらさすがに立ち直れる気がしない。わたしにはそんな体力、もうない。
 ならばわたしが耐えて、このままの関係でいればいい。それだけのことなのに。
 決壊させたくなかった。
 なにを決壊させたくないの?
 自分なのか関係なのか。
 もうわからないのだ。
 ただ伝えたい。
 だって。
「三ツ葉だって、自分のこと、話してほしいよ」
 三ツ葉はかけがえないから。
 結局わたしは、三ツ葉を知らない。

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