アンデルセンの人魚姫の物語に心惹かれる。
声と尾ひれを失い足を手に入れた少女、 一番欲しかったものは その身全てを捧げても 手に入れることができなかった少女。
哀しいお話、だけれど、少女の意志の強さが この物語を支えている。 声を失う、というところが、 アンデルセンの恋のもどかしさの リアルな表現のような気がする。
失って得るもの、得るために失うもの。 体は不自由、言葉はもっと不自由。
人魚姫の美しさに憧れて、 一匹の小さな金魚は 金魚鉢の外の世界に焦がれる。
金魚は尾ひれを失って、 一体何を得るだろうか。
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