著者 俳句:金原 まさ子、旭ミコ、石原ユキオ、岡田一実 、岡田朋之、かかり真魚、久留島元、榮猿丸、なかやまなな、二木千里、ネムカケス、林雅樹、正井、松尾唯花、松本てふこ、実駒、merongree、山階基 対談:北大路翼、松本てふこ 小説:イサハヤ、キリチヒロ、高梨來 評論:いとこん、大西菜生、K、佐々木紺、豊永裕美、龍翔 イラスト:Em.、おがわさとし、加藤望、尻毛、玉貴らら、みずほ タイトルロゴ・装幀:蔦子
「映画吟行」掲載句紹介(なかやまなな選)
口づけは微弱電流月涼し 旭ミコ「未成の恋/同級生」 夏痩せて早抖(おやすみ)のキス何度も来る 石原ユキオ「雨と乳暈/激戦ハート・オブ・ファイト」 役としてゾンビ愉しむ涼しさよ 岡田一実「夕立/キツツキと雨」 夏の雨もう使ってはもらえない 岡田朋之「嘘だった関係/グラスホッパー」 空蝉にどつとシャンパン注ぎたる かかり真魚「セクシー伽藍王外伝/華麗なるギャツビー」 呼ばれれば遅れてやってくる時雨 久留島元「呼ばれれば/探偵はBARにいる 2」 笑はせて薔薇色に透く裸かな 榮猿丸「天鵞絨の金脈/ベルベット・ゴールドマイン」 煙草から煙草へ長く火を移す なかやまなな「飛行記/ブエノスアイレス」 今どこにいますかいつか行くよ春 二木千里「異次元の名前/リリィ・シュシュのすべて」 冴返るロンドン、グッド・モーニング(good mourning) ネムカケス「グッド・モーニング・ロンドン/屍者の帝国」 さみしき灯ともる新樹のふところに 林雅樹「エドワードII/エドワードII」 冬麗の首都の土鳩の汚れけり 正井「愛の挨拶/裏切りのサーカス」 もう夕立だろうかキスをしたくなる 松尾唯花「夏を縫う/同級生」 くちづけのあと春泥につきとばす 松本てふこ「札束/ブルース・ブラザーズ」 彼の怒りに触れたし白百合を噛む 実駒「酒/麻薬/娼婦/暴力=L.A.市警 /L.A.コンフィデンシャル」 配られた紙に名を書く春の昼 merongree「蛇穴を出る/青い春」 撫でられてニベアの匂い冬銀河 山階基「流し台の銀/スープ・オペラ」
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