僕はただ、かつての人々のように平和に生きていきたい。友達という存在と、くだらない話をして楽しい時間を過ごしてみたい。そんなことを望みながら僕は戦いの日々を過ごしていた。 今日も同じことを考えている自由時間。僕だけしかいない部屋で椅子に座っていた。そろそろシャワーを浴びたいと思っていたとき、部屋がノックされた。 「アルロベド・マリスはいるか?」 「はい、俺はここにいます」 ロベドをまとめる総長の声がした。ロベドは人前では自分を呼ぶときは俺でなければならない。いつでも誇り高き存在であるため、と言っていた気がするが、正直僕には違和感しかない。 僕は入り口のドアへと駆け寄り、ドアを開ける。敬礼をして総長を見ると、後ろに誰か立っているのが見える。正装を纏い、黒髪で僕より少し背が高い気がする。 今日の報告のときに新人が入ることを聞いていた気がするが、まさか僕の部屋になるとは。 「今日から同室になるクノスだ。前衛としては新人なので、世話を頼む」 「はっ、分かりました」 説明があったせいか短い言葉とクノスを残し、総長は去っていった。 アルロベドになる前は同室で生活していたが、一人で生活していた時間の方が長いため、少々戸惑いもあるが嬉しさもある。 それでも、目の前にいるクノスをそのままにしておくわけにはいかない。 「初めまして、アルロベド・マリス。俺はクノスです。今日からよろしくお願いします」 「改めて、マリスだ。とりあえず中に入ってくれ」 敬礼していた彼を中に招き入れ、ドアを閉める。 アルロベドであろうと、ロベドと同じサイズの部屋を割り当てられているため、二人は過ごせる空間となっている。僕は部屋にはあまり物を置いておかないようにしているため、片付いてはいるはずだ。 クノスが荷物を置いたことを確認し、僕は説明を始める。 「部屋での生活は基本的に今までと変わることはないと思う。自由時間は何をしても構わない。ベッドは上を使用し、カバー類は毎日部屋の前に各自置く。替えはそこの引き出しの三段目にあるから、毎日取り替えてくれ。部屋の掃除はたまにやってくれるから特に問題ない。あとは、奥の冷蔵庫に物を入れておくときは名前を書いていれてくれ。何か質問は?」 「あなたはなぜ、そんなにも寂しそうにしているんですか?」 「なっ……!!」
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