きちんと、元に、戻したくなる本。(←読めば意味がわかる)
書籍名 灯台守の私文書
作家名 シロジクロエ
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紹介文
読み進めて、何度目かの「それ」を目にしたとき、ごめんなさい、正直、「ここまでやるか」「まだやるか」と思いました。

「同人小説」「ボーイズラブジャンル」ということで完全に油断をしていました。
この本には読書をする楽しみ、「驚き」が含まれている本です。

ボーイズラブは、イケメンを愛でるもの、シチュエーションに萌えるもの、と思っていましたが、
こちらの本は、「本全体で」物語を作っていてすごいなあと思いました。

この本は、まず、茶色い封筒に入っています。
その次に、透明なスリットカバーを外して、やっと本にたどり着けます。
背中合わせの男性二人の表紙。一人は本に、一人はカバーに印刷されているので、
透明カバーを外すと、一人の男性のみが立っているイラストになります。

ネタバレになるので(そう、この本は、ネタバレ厳禁なのです!)詳しくは言えませんが、
何度も騙されつつ、「今度こそ!?」という気持ちで読み進めて、
読み終わると、どうしてこの本がこういう装丁をしているのかがわかります。
そして、作者があとがきで書かれていた「面倒でも、きちんともとの形に戻したくなるような本を目指しました」に
心から納得する、せざるを得ない作品です。


本の「しかけ」のことばかり言ってしまいましたが、もちろんBL的な萌えはじゅうぶん含まれています。
はげるほど萌えます。
J.GARDEN40にて発行された、J.GARDEN20周年記念にちなんで20歳差の男性二人の物語。
ゆるやかに人類が衰退していく世界で、ある本にとらわれた男性。
見ているこっちが赤くなって、両手で顔を隠してしまいそうな(でも指の間からちゃんと見てる)、
「言いたいことを言えない」もどかしさ。それは萌え。


想定にも、キャラクターにも、ストーリーにも、作者のこだわりを感じました。


作者さんへ、これからも、【蔵書票シリーズ】楽しみにしています!


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