尼崎文学だらけ
ブース 企画本部
委託販売
タイトル The Carpal Tunnel Of Love
著者 かえこ3
価格 300円
カテゴリ JUNE
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紹介文
今までにない、新感覚BLはいかがですか?BLの概念を覆す内容です。特になにも起らず、それでいて同性同士のセックスを描いているBL小説です。
舞台はアメリカ。主人口は躁鬱病の23歳の青年ジェシー。ロックバンドのボーカリストの彼は、幼馴染であり、バンドメンバーでもあるマーティとのセックスが大好き。自分は女の子とセックスするくせに、マーティが他の女の子と歩くだけで嫉妬 に狂い、大声で泣き喚く、とても面倒臭い男・・・そう。彼はヤンデレメンヘラなのです。左腕はリストカットの跡だらけ。こんな面倒な男が、仲間たちとの間でどう変わっていくのか?少しの希望と、ジェシーへのムカつきで終わるラストです。ジェシーとマーティの他に、個性的な仲間とのやりとりも楽しめる作品。

現在
「キャンディみたいな甘い言葉を、シャワーみたいにきみの頭の上に降り注ぎたいんだ。だから僕の側にきて」 
作詞 ジェシー・ウェストン
 ジェシーは音楽の才能がある。だから俺たちは生活ができる。ジェシーのボーカルがあるから存在する俺のドラム。ジェシーが作る歌詞があるから存在する、ロブのベース。ジェシーのハーモニカがあるから存在する、メアリーのキーボード。ジェシー。ジェシー。ジェシー。アラバマ生まれの二十三歳。身長は百七十五センチ。体重は五十七キロ。大好きなバンドはスリップノットとマリリン・マンソン。そのくえにジェシーはインタビューでこう答える。ジェシー。きみが尊敬するロックバンドは?
「オアシスとレディヘット。目指すところはいつもそこかな。でもやっぱり愛してやまないのはニルヴァーナ」
俺はそれを聞く度に、心の中で悪態をつく。ビョーキの嘘つきジェシー。あんなおっかね ぇバンドが大好きなくせに。オアシスとレディオヘッド?聴いたことねぇだろうが。俺たちのバンドはオルタナティブだ。お前が好きなやつらとは全然違う音楽だ。ニルヴァーナは好きだけど。俺とジェシーが愛してやまないバンド。
ジェシー・ウェストンがいるからこその、俺たちのバンド。ジェシーの歌声は変幻自在だ。たまに十六歳の女の子のように繊細だったり、五十五歳のオヤジみたいに図太かったりする。いや。声を変えるとかそういうんじゃねぇよ。基本ジェシーは鼻にかかったようなかすれた声で歌うんだ。でも、ひとたび聴けば俺が言ってることは分かると思う。耳が孕むってやつさ。観客たちはうっとりとジェシーを見つめる。スポットライトに照らされたジェシーの額。ジェシーの金髪と同 じ、色素の薄い睫。カラー・コンタクトを入れているのかと思うぐらい、真っ青な目。鼻に開けているピアスは、銀色のクロス。右の唇に銀の輪のピアスを開けている。そして、舌にも開けている。舌のピアスはジェシーがしゃべると、たまに、カチカチと音を慣らす。ゴキゲン妖精が歌ってる。とジェシーはその音を楽しそうに鳴らす。
「マーティ」
カチ。という音。俺はびくりと反応する。スタジオで練習していたとき。ロブとメアリーはまだ来ない。俺がスタジオに入ると、ジェシーだけがいた。床の上に寝そべって、ぼんやりと天井を見上げていた。


今までにないぐらい、ブン殴りたくなる男が主人口のBL
今までにない感じのBLはいかがですか?主人公のジェシー君は23歳。アメリカに住んでる23歳の青年です。ロックバンドのボー借りスト兼、ギタリスト。今度初めてのライブツアーに出ることになりました。
ですがこのジェシー君。ものすごい面倒で、ブン殴りたくなるんです。左腕にはリストカットの跡だらけ。そして躁鬱病。13歳から発症しています。そう。ジェシー君は今流行の「ヤンデレメンヘラクソ野郎」なのです。そして幼馴染でバンド仲間のロブとセックスするのが大好きなくせに、女の子ともセックスが大好きな、ほんっとうにだらしないクソ男です。
ツアーに出るまでの仲間たちのやりとりだけで終わるこの話。ジェシー君や、仲間たちはこれからどうなっていくのだろう?という不安と、少しの希望があるラストで終わる話です。特に何が起こるでもないんですが、突き抜けた内容のBLがお好きな方はぜひ!
題名は「カーパル・トンネル症候群」という意味です。
推薦者かえこ3
推薦ポイント文章・文体が好き