三XXX年の四月一日。 この物語の主人公である神代新(かみしろ しん)は本日、高校の入学式である。 入学式を無事に終え、午前中を必然ともいえる担任の話を聞き、昼過ぎには帰宅の予定だった――しかし、時計の針が午後一時を指しているにも関わらず彼は、とある部室にいた。 椅子に座り長机を挟んで、向かい側には初対面の女子生徒が三人並んで座っている……はずだが、目の前に置かれた山積みの饅頭のせいで視界は遮られていた。 視界の右半分に女子半分。左にも女子半分。真ん中に至っては、饅頭しか見えない。
さて、何故こんなことになったのか?
時間は本日、四月一日の朝に遡る。
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