尼崎文学だらけ
ブース 恋愛2
ペーパーカンパニー
タイトル 夜が濃くなる
著者 豆塚エリ
価格 900円
カテゴリ 詩歌
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紹介文
こんぺき出版から、豆塚エリ著『夜が濃くなる』を「ペーパーカンパニーセレクション」として頒布します。
太宰賞最終候補に残り惜しくも受賞はしなかった「いつだって溺れるのは」を読み、はじめからおわりまで泣き通しました。それを機に詩を読むようになり、久しぶりに「やっぱり私は文学が、詩が、好きだ」と思えるようになりました。
圧倒的なものを紹介することはできません。作家と出版社と業界を守るためには買って読まなければ。そんな本との関わり方をもう一度。

「宵待草」からの一節

今夜はこんなに雨が降る
線路沿いのトタン屋根
しずくがズボンを濡らしてく

去年の暮れに死んじゃった
かわいいあの子のゆうれいが
大事なリボンを失くしたと
いつまでたっても泣いている

びしょ濡れの仔猫のひげが
おかしなブルーズ かなでるよ

みんなお家に帰って
あったかい布団に

…………
続く