上住断靱が過去に書いた四編。伊賀忍者を中心とした忍者小説短編集。
「鷹の目」(たかのめ) 甲賀忍者、杉谷善住坊は鉄砲の腕に自信を持っていた。 信長狙撃依頼を機に天下に名を轟かせるべく、信長狙撃に挑むが……。 「野火の銀八」(のびのぎんぱち) 秀吉の四国攻略、蜂須賀小六より四国一宮城貯水池破壊の命を受けた川並衆、小野銀八郎と長宗我部忍者、竹内虎之助との攻防。 「雨請山砦」(あまごいやまとりで) 甲賀武士、望月猪太郎は名を上げるべく子分を連れて、天正伊賀の乱に蒲生軍として参戦するが……・。 「忍嚆矢」(しのびこうし) 天正伊賀の乱において伊賀、島ヶ原党代表の富岡忠兵衛は不戦を示すが、自らは伊賀を守るために決戦の地、比自山へと一人駆ける。公と自を分けた冷静ながらも血気盛んな彼は、戦場で何を見たのか。
最後に丁寧な解説つきです。主人公は実在した忍者をモデルにしています。
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