出店者名 ペーパーカンパニー
タイトル 夜が濃くなる
著者 豆塚エリ
価格 900円
ジャンル 詩歌
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紹介文
豆塚エリ6冊目の詩集
豆塚エリ6冊目の詩集。寄り添い、突き放す言葉達。あなたの本棚にこっそりと咲かせて。
(こんぺき書房公式ページより)

「宵待草」からの一節

今夜はこんなに雨が降る
線路沿いのトタン屋根
しずくがズボンを濡らしてく

去年の暮れに死んじゃった
かわいいあの子のゆうれいが
大事なリボンを失くしたと
いつまでたっても泣いている

びしょ濡れの仔猫のひげが
おかしなブルーズ かなでるよ

みんなお家に帰って
あったかい布団に

…………
続く


夜に"落ちていく"
濃い夜に落ちる眠りのように、世界に浸ることができる詩集だと思う。
世界。
豆塚さんの詩は、とても大きなものが、とても小さく書かれている。
ほとんど四角形に製本された詩集のかたちのように、
区切られた場所にどこまでも広がる世界だ。

開いて、決して読み終わることのない物語を読んでほしい。
朝なんて来ない。
この詩集を開いているかぎり、朝なんて来ない。

「君の柔らかな体は
うそをつくことが得意だ」

この一文がいちばん好き。
推薦者にゃんしー