出店者名 浮草堂
タイトル タイムスリップ・アンド・ニンファ
著者 浮草堂美奈
価格 200円
ジャンル 大衆小説
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紹介文
タイムマシンを発明した中学生。
30年後にタイムスリップしてみたら、クラスでいじめられている少女が、自分の美貌を鼻にかける絶世の美女になっていて―。
初恋ゆるSF物語!

僕はタイムマシンを作っている間を縫って、宿題もきちんとやり終えたんだが、毎日遊んでいたこいつらに宿題を写させなければ、あそこにいる陽菜のようになるのは目に見えている。
「適当に間違えろよ、まんま写すと、俺のを写したってばれるぞ」
 なんでお前らの脳みそときたら、俺とは蟻と恐竜くらい違うんだからな。という言葉を飲み込んで、夏休みの宿題を渡す。
 福本と塚本はへらへら笑って、それを受け取った。
 そして、陽菜の元に行った。
 陽菜は、今日も女子に取り囲まれて、「ブス」「何で学校くんの」「デカいよね、ゴリラ」「キモい」「死ねよ」と罵声を浴びせかけられていた。
 クラスの女子のする事はいつも同じで、陽菜を全員で取り囲んで、一斉に罵声を浴びせるのだ。
 陽菜は一年の入学式から毎日これを受け続けている。最初は中心メンバーの土井と岡見という女子がやっていたのだが、今ではクラスの女子全員でやっている。
 それに、福本と塚本は、またけたたましい大声で、「川端さんカワイイー!」と明らかに嫌がらせで叫び「セックスした事あるんですかー?」と続ける。
 本当に胸がムカムカする。
 うちの学校は、私立の中高エスカレーター式中学校で、私立だが偏差値は低い。唯一、サッカー部が強くて、それだけがウリの学校だ。
 僕らはそこの二年生というクソみたいな学年に所属し、女子が陽菜を罵倒するのを毎日見続けている。
 あんなきんきん声で、周囲で喚き立てられたら、陽菜も堪ったものじゃないだろう、耳を押さえて机に突っ伏している。
 それだけ、女子共の声は反響している。
 僕だってやかましい。
 女子が一番多く言っている単語は「ブス」、次に「デカすぎ」だ。
 だがしかし、川端陽菜は学年、いや学校中で一番の美人なんである。