出店者名 星座盤
タイトル 星座盤vol.10
著者 浅井梨恵子、浅岡千晶、金沢美香、清水園、濱本愛美、丸黄うりぽ、三上弥栄、水無月うらら、横田理恵、渡部陽子
価格 500円
ジャンル 純文学
ツイートする
紹介文
同人誌『星座盤』活動10年目の記念号。
日常に入った亀裂、想像だにしない非日常、思うに任せぬ恋。女性ならではの感性が溢れる小説を9編掲載。
特集として、巻頭にはメンバー全員による「〇〇と星座盤と私」と銘打ったエッセイを収録。星座盤に関わる作者たちのユニークかつ切実な心情を吐露する、見応えある仕上がりとなりました。
メンバーそれぞれの10年分の思いが、いまここに結実。どうぞお楽しみください。

記念エッセイ(メンバー10名)

小説 「真珠」濱本愛美
   「かろうと」水無月うらら
   「灰」金沢美香
   「雛祭り」清水園
   「十年アラーム」三上弥栄
   「白の母、黒の母」丸黄うりぽ
   「透明な水を湛える」浅岡千晶
   「水槽の中の日向」横田理恵
   「四月の雷」浅井梨恵子

『また、六月十五日が来ました。会いたいです』
送信したあと、涙がボロボロ落ちた。どうしているんだろう。私が今、頑張っているのは哲史くんのおかげなのに。時代は、LINEに移っていたけれど、何度、友達検索をかけても哲史くんの名前は出てこない。反対にメールは着信エラーが来ることはないので、きっと読んでいる。そう信じている。いつかは、返信が来るはずだ、と。(三上弥栄 「十年アラーム」より)

知らないふりは簡単だ。そのことを深く考えないようにすれば、いいだけだ。物書きとしては有り得ない態度かもしれないとは思っていたけれど、あまりにも思いが強すぎると、失った時の反動は恐ろしく辛くなる。距離を取ることはとても大切なことなのだ。(浅岡千晶 「透明な水を湛える」より)