出店者名 白昼社
タイトル ゆらし、
著者 恣意セシル×泉由良
価格 300円
ジャンル 詩歌
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紹介文
夏への想いを丁寧に掬いとるように、
そっと掬いとるように、
写真×詩を恣意セシルと泉由良が交換してzineに纏めた1冊です。

夏の陰

さよなら夏の光
思い起こすは陰翳礼賛
ずっと隠れていたのわたし
夏の陰に隠れて
誰にもみつからないように
夏の陰でしゃがんでた

さよなら西瓜の青み
思い起こすは終戦記念日
ずっと黙っていたのわたし
夏の陰に隠れて
誰にも捕まらないように
夏の陰で黙ってた

さよなら薄い兵児帯
思い起こすは盂蘭盆の灯
そっと振ったら光のすじが
線香花火みたいに
ちりちり
ぽつん
火の玉が落ちて
わたしひとり
ぽつん
夏の夜は寝苦しかった

さよなら夏の光
思い起こすは陰翳礼賛
光だと思っていた季節が教えてくれた
眩しかったものたちを描き出していたのは
すべて
陰でした