久々に訪れたショッピングモール内のみんなのトイレは、映画が終わったばかりということもあり少し混んでいたけれど、新しいだけあって広く、快適そうだった。 車いすが動かないようにブレーキをかけて、みこちゃんは私を脇の下から抱きかかえ、ぴかぴかの便座に座らせる。 私は手すりにしがみつき、言うことをきかない胸から下の体が便器からずり落ちないようにバランスを取る。その間にみこちゃんが私のワンピースをたくしあげ、露わになったショーツをおろす。ショーツにはさんである新生児用の紙おむつが便器に落ち込まないように気を付けて上手に外す。みこちゃんが筋肉がおちて骨ばった私の足を大きく広げて、おしっこの穴に導尿用カテーテルという透明で細長い管を差し込むと、おしっこが管を通って便器の中へとこぼれていった。音が止むとカテーテルを抜き、洗面台で洗って消毒液が入ったケースに差し込んで鞄にしまう。紙おむつをあてがいながら上手にショーツを引き上げ、車いすへと再び移乗させる。そのすべての高低を手早く丁寧に、みこちゃんはやってくれる。見た目は華奢なのに、驚くほど力強い。 「ちゃんと水分採ってる?」 「採ってるよ」 「その割に量が少ないんじゃない? 色も濃いし」 「うるさいな」 私はわざと反抗的な態度をとってむくれてみせる。
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