八月二十日、夜になって警察から電話がかかってきた。 半井啓、十八歳がその人生の幕を下ろした日のことだった。少年は実の父の暴力によってその命を終わらせた。 家族と居間でテレビを見ていた鹿村昴は、驚きの声を上げる両親を前に静かに従兄弟と最期に会った日のことを思った。