出店者名 恵陽
タイトル 愛惜
著者 恵陽
価格 300円
ジャンル 大衆小説
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紹介文
暑い夏の終わり、従兄弟は永遠の眠りについた。
残された者に託された物。
まだ泣いてはいけなかった。
どうしても、果たしたかった最期の約束。
その答えがどうだったかは僕にはわからない。
残された者の哀しみと、死した者のさよならの物語。

表題作「愛惜」の他に「死を悼む者」「暗涙」の三篇が収録されています。

 八月二十日、夜になって警察から電話がかかってきた。
 半井啓、十八歳がその人生の幕を下ろした日のことだった。少年は実の父の暴力によってその命を終わらせた。
 家族と居間でテレビを見ていた鹿村昴は、驚きの声を上げる両親を前に静かに従兄弟と最期に会った日のことを思った。