出店者名 紫陽花宮
タイトル ゴスペル純情倶楽部
著者 水無月美伊
価格 300円
ジャンル ライトノベル
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紹介文
美鶴とちとせは、高校三年生になった。これから灰色の受験生活が始まることに、ある種の反発を覚えていた二人は、ふとしたきっかけで、仲間を集めてゴスペルを始めることになる。ゴスペルの基に集結した6人の高校生の青春群像劇。

「へっ?」
 美鶴の剣幕に面食らったのか、ちとせは一瞬固まったが、
「……ゴスペルって、何?」
 と、途切れ途切れに言った。
「知らない」
 美鶴はきっぱり答えた。
 ゴスペルが何なのか、さっぱり知らない。
 でも、やりたい。
「美鶴ねえ」
 ちとせはあきれたように言う。
「ゴスペルが宗教音楽だってことくらいは知ってるんでしょ?」
「知らない」
「知らない?」
 ますます面食らった様子のちとせ。
 そこにエレベーターが来て、美鶴とちとせは乗り込んだ。
「それでどうして、そこまできっぱりとやるなんて言えるの?」
 ちとせの問いに、美鶴は答える。
「誰もやらないようなことをやりたいんだよ」
「だから、どうしてゴスペルなの?」
「いや、そこにポスター貼ってあったから」
「それだけで?」