部屋に到着すると。すぐに寝台へと座らされたあと、押し倒され上へとのしかかられる。 間髪入れずにくちびるが重なった。ふれるだけの口づけ。少し湿った音を立て、薄くて綺麗なくちびるが離れていった。 「んっ……」 一度くちびるが離れると、二回目のキスはくちびるの隙間から舌を差しこまれた。 このままではなし崩しになってしまうと、躰を後退させようとする。だが、長い腕が腰を捕まえ、大きな手が頭をかき抱くから、余計に密着してしまった。こうなると――相手の好きなように、くちびると舌を明け渡してしまうことになる。 「んっ……むぐっつ……んーっ」 舌がねっとりと絡められ、よい部分を数回擦られたのち、強く吸わ れる。 濃厚なキスが腰に影響をだしはじめた。おかげで躰に力が入らない。気持ちいいことには素直で従順な青年は大人しくくちびるで相手から の愛情を受け取る。 数分ディープキスを続けた後、メイド服の上部のボタンを外された。首に吸いつかれ、赤い花びらのような痕が複数散らされる。 「んっつ……影……ちょっと待って」 「待てない」 この期におよんで中断はありえないと相手は行為を続ける。が、眼はそれを相手の肩を叩いて制止させた。 「待てって、せめて……ブーツだけでも脱がせろっ!」 このままではベッドに上がれない。せめて手順だけは踏まえろ。そう訴えると襲っていた相手の手がぴたっと止まった。 「すまない。急き過ぎた」 「どんだけ余裕ないのよ、おまえ……」 叱られた大型犬のようにうなだれている。垂れ下がった耳が見えそうだ。 こういうところがかわいいんだよなとおもい。怒ってないことを伝えるため、眼は相手の目元にちゅっと口づけた。
ついでにシャワーも浴びたいと告げたがそれは即却下された。影はあくまでもメイド姿の眼が抱きたいらしい。 「送りだすまえから押し倒したいとおもってた」 最初からメイドな眼を押し倒す気満々だったようで。これならむしろいままでよく耐えたと褒めるべきなのかもしれない。 「まあ、メイド服ってエロいもんな」 男が着たときに需要があるかは謎だが。彼氏がかわいいとおもっているのであれば深くは考えないことにする。 「とくに――ここがけしからん。周辺には私と真珠しかいなかったからいいが。今後はやめろ」 破いて急遽スリットにしたところから手をいれられ、太腿を撫でられた。スカートをめくりあげられ、下着の上から中心を眺められた。
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