出店者名 赤卒文庫
タイトル 六花〜ローカル食アンソロジー東北編〜
著者 砂原藍 他五名
価格 600円
ジャンル 掌編
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紹介文
2017年6月11日、第2回文学フリマ岩手「暁を往く鳥」さまにて初頒布でした「六花〜ローカル食アンソロジー東北編〜」、関西に初上陸です。
東北六県それぞれの郷土食、通称『ローカル食』をテーマとしたアンソロジー。テーマの食べ物と内容は、当日のお楽しみ……。
「うめぇものいっぺ揃ってだがら、まんず見でってけれ!」(美味しいもの沢山揃ってるから、どうぞ見ていってね!)

【執筆陣】(掲載順・敬称略)
・蒼狗(あおいぬ) 【青森県】
・雪原歌乃(ゆきはら・かの) 【岩手県】
・良崎歓(よしざき・かん) 【秋田県】
・砂原藍(すなはら・あい/主宰) 【宮城県】
・梅川もも(うめかわ・もも) 【山形県】
・百画れんかん(ひゃくがく・れんかん)【福島県】


まだ見ぬ母の味
ローカル食アンソロジー東北編とあるように、東北6県のローカル食の物語を集めたアンソロジーです。
と書くと面白みもない紹介になってしまうのですが、ローカル食以外におそらく隠しテーマがあって、それが「母の味」、もしくは「家庭の味」です。
東北6県出身の作者さんたちが、それぞれの県のローカル食にどう向き合うのか、そのアプローチの違いを楽しむのがこの本の面白さだと思いますが、「母」とどう向き合うのか、「家庭」とどう向き合うのか、そこもまた面白さのポイントになっています。

テーマがテーマであるが故に、恋人や母とふれあうまっすぐな作品が多いのですが、変化球を投げている作者さんがいます。
青森県の蒼狗さんの作品もまっすぐのようで突然変化する面白い作品だったのですが、秋田県の良崎歓さんの作品がかなり大きな変化球になっています。「母の味」、「家庭の味」をテーマに少し奇妙な恋愛小説を描いているのです。良い意味で特殊な作品です。
良崎歓さんの作品がアクセントとなって、アンソロジーとしてはバランスよくまとまった一冊になっています。知らない東北のローカル食を楽しむのもよし、まだ見ぬ母の味を懐かしむのもよし、お腹を空かせて読むべき一冊です。
推薦者ひじりあや