「誘える人いないの。休日や夜はちゃんと妻業してるのよ」 ひとりごはんに慣れて歯止めが効かなくなったという。都合や予算が合う人がおらず、合わせる必要もなくなった、と。 仕事に出るのはオット氏が嫌がるそうだ。 「つまらないプライドだけど周りは羨むよね。孤独だよ」 泉が暮らしているパートナーはアルバイトだということを隠していた。入籍を「まだ早い」とずっと言ってる。嫌われないために尊重しながらも傷付いていた。伊東さんを羨むなら、家族になりたいと思われたことの方だ。 「オットの稼ぎでいいもの食べて病院で上げ膳据膳。入院費まで出してもらって、いい旦那さんね、あなたしあわせね。ってハハは言うわね」 ハハが実母だと泉が気づくのは随分たってからだった。
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