激しい雨が降る晩に、私と金魚は入れ替わる。 金魚は赤いワンピースの少女になって夜の街へ。 私は金魚鉢で、全てを忘れてゆらゆら眠る。 明け方、火照った顔で朝帰りした金魚は、「人間ってすごくいいね!」と熱っぽくいう。 私は水から這いだして、(また人間を続けてみるか)と思う。