過去の結果

▼11月1週

福岡○-×横浜
3点

お題
風邪がなかなか治らないので
何もせずとにかく
寝ることにした

 空が真っ黒けでいつもよりたくさんの星がみえる
 
 新月かな

 何かに祈ったり、願ったりするのは嫌いだ

 みえない何かや誰かのせいにしてごまかしているみたいだから

 願ってしまうと

 思っているときよりも

 期待してしまう

 夜の音と匂いと温度が魔法みたいにこころを揺らす

 もうすぐ明日なんだけど

 本当の明日までぐっすりと眠ってしまおう

風邪がなかなか治らないので
何もせずとにかく
寝ることにした


カーテンの向こうでは、朝日が昇っている
私はこんもりと膨らんだ布団のなかで、
じっと目を閉じる
今日は、何もしなくていい

使い古した羽毛布団の内側には、小さな裂け目があって
指を差し入れ、やわらかな感触を確かめる
もう、この布団はだめだ
こぼれた羽毛をもてあそぶ

外では雀が鳴いている
私はひざを抱えて眠る
今日は、何もしなくていい
お前も一緒に眠らないか

軽くなりすぎた布団のなかに、
落ち葉や、枯れ枝を持ち寄り、
巣を作る
こぼれた羽毛の数だけ、雛鳥が孵る
私は丸くなり、
雀は頬をついばむようにキスをする

そんな夢を見た
ばっと、身を起こすと、日は暮れており
布団は裂け目から、大きく縦に破れていた

部屋中に羽毛が散る
汗でぐっしょりと濡れた私の体には、
いたるところに羽がある
こぼれた羽毛を丁寧に、手のひらに集めていたら、
涙がこぼれた

頬が、まだ少し熱い

(先攻・福岡)りん-(後攻・横浜)しゅう

審判評:
この文章を送ったときの状況を基準にすると
前半のほうが近かったので、、

-審査員:310

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