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▼10月5週

京都×-○横浜
2点

お題
計画のない実践は、
海図のない航海に似ています。
それは航海というより漂流です。

性格のない人間は、
構図のない素描に似ています。
それは人間というより抜殻です。

抜粋のない物語は、
数字を使わない哲学に似ています。
宇宙は数学という書物によって成り立つからです。

安心のない空間は、
毛布のない睡眠に似ています。
それは夢想というより雨晒しのベンチ、

  或は、

反転する世界と旅立ち、則ち
裏側へと逆流する物語。

比喩は少ない方が良いものです
議論は経験豊かな方が勝つのです

後悔には実践が必要です ええ
公開には裏打ちが必要です そう
狡獪に歩んで何が悪いのか そう
航海には海図が必要です ええ

 そうです
    先生

私は計画して実践したいと思います
漂流 たゆたうことを選んだ彼ら に 欠けていたもの は
地図 海図 信ずる心
それがもたらしたもの は
迷図 MAZE 想像図でさえ 失っていった

 そうではありませんか

 あなたには判りませんか

 判ろうとしない彼らの顛末

 末路は漂流
 漂流は待つのみにて

 実行

計画のない実践は、
海図のない航海に似ています。
それは航海というより漂流です。


【人工衛星の手紙】

(前略)

……そして太陽は命を強欲に長らえ、その熱射の両腕が薄い金属膜を剥いでゆきます
それは幾日も繰り返され、本当に飽きもせず、私はとうとう疲弊しました
明日が昨日と変わらないのなら、私はすでに明日を遣り終えました
私は漂流しているようです

(中略)

……漂流
その甘い言葉に、若い私は連れ去られたのです
しかし魔法は醒めました

私は壊れつづけています
それでも終わりが来ることはないでしょう

太陽は私から遠ざかってゆきます
日射は日ごとに弱くなり、透明への距離を詰めゆきます
辺りはいよいよ寒くなり、私は少しずつ冷え、安定し……

(中略)

……そして百年を経ましたが、無限大の分母に解体され、私は極小に、私のままです
闇は少しも粘りをもたず、この透明な暗闇のなかで、私の命は錆ついて、もはや少しも減りもせず
抱きつづけているのは、けして消費されることのない貴方への想いだけです

(中略)

……愛を抱いて

(後略)

(先攻・京都)泉由良-(後攻・横浜)クロラ

審判評:
2人とも、お題に振り回された感じがします。
個人的には、お題を素地として、自己解釈の上に新しい文章を書いて欲しかったです。
後者の方が、文章として纏まりがあり、完成しているとは思うのですが、
着地点がやや平凡だった為、基準点としました。

-審査員:toraco.

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