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▼10月1週

神戸○-×東京
3点

お題
転がっていく袖口のボタン。
見ていたのに見つからないボタン。

おかあさんに、買ってもらった。
生まれ育った町で、着てた。

色は忘れたけれど、
カーディガン、

あったかいの。

町を歩くと、すこしだけ気持ちが、大きくなる。
風邪気味だけど、大丈夫。
しゃがれた声で歌った、遠い日のうた。

記憶のなかで、カーディガンの袖をそっとつまむ。
大きめだったカーディガン、いまはもうきっと入らない。
どこにあるかもわからない。
けれど、実家のおしいれにふと眠ってたりするもんなんだ。

思い出ってやつは。

ほつれて、ボロボロで、愛しい。

あなたが一度しかなかったあの冬に、
着ていたカーディガンを忘れないで。

まだ続く長い道の途中、
目を閉じて振り返ると見える。

転がっていく袖口のボタン。
見ていたのに見つからないボタン。


お口にいれただれかさん、
おこらないから
いろをおしえて。

すずやかなおあじ
いろは吐き出さないとわからない。
やがてはぬるくなる
みんな、知ってる。

はんとうめいのゆうれいだよ
おもたいのはいつもそう
原色は野菜だよ
たべるのはいつもそう
ありあまってる
8じかんねる

さびしいから
いつかの誕生日の火をみてちょっと泣く

お口にいれただれかさん、
のみこんじゃったって
みんな、知ってるんだけど

そのまんま
終わりもしない
そのまんま
どこもなにもやってくれないし
あんまりいうと友だちも困った顔だ
時の解決と
生き物としてわすれる前に

知らないだれかと
しゃべりたい

(先攻・神戸)にゃんしー-(後攻・東京)ともちゃん9さい

審判評:
私は、詩とか本でも同じなのですが、
その語られている情景を
想像しながら読むのが好きで、
前半はよく想像できたのですが、
後半は少し私には難しかったです。
お題が袖口のボタンとありましたが、
イメージ的にカーディガンには
袖口にボタンがないような?
ちょっとリアリスティックさがちょとかけたので、
そこがマイナスポイントです。
すごく個人的な趣味にはしって
もうしわけないのです…。

-審査員:さーぁ

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