十月雑詠

風力発電機一基回らず渡り鳥

水始涸よジャム瓶底に闇

亀虫や階下の人は無口なり

ジェイコブの梯子まきとる秋の潮

山霧を鬻ぐよ無人販売所

次郎柿や鉱山雨に濡れてゐて

秋霖や有楽街のあぶれ猫

秋雨の底ひに藍のマッチ箱

  ■ 牟礼鯨

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