尼崎文学だらけ
ブース June1
午前三時の猫
タイトル お義兄さまに愛されて~僕だけの甘い秘めごと〜
著者 きよにゃ
価格 600円
カテゴリ JUNE
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紹介文
A5/120P/2016.3.21発行

「ほんとうに、いいのだな? ・・・・・・もう、兄弟には戻れんぞ」

シャーディーンは、幼い頃に動物が好きだとからかわれていたところを義兄のリディウスに助けられて以来、彼に信頼を寄せている。 やがて思春期を迎える頃、兄の半裸を見て下半身に異常を覚え、リディウスに介抱してもらって以来、彼を意識してしまう。
これは恋なのだろうか──。
そんな時、シャーディーンの美しさに目をつけた次兄によって、自分が皇帝に献上されることを知り・・・・・・!?

自制する義兄×恋する弟。
兄に甘やかされる帝政ローマ調ファンタジー。

 兄が好きだ。それはまぎれもない現実だ。
 ここ数日、兄の姿を探していた。兄にもう会えないと知った時、胸が張り裂けそうだった。
 すべて打ち明けて、なんとかそばにいられることになった。
 だが明日にでもミウスに見つかり、皇帝の親衛隊に入れと言われるかもしれない。それなら、その前にリディウスと記念になるようなことがしたい。
 窓のそばで粗末な椅子に腰掛けるリディウスに近寄り、袖を引っ張る。
兄は少し面倒くさそうに、でも優しく
「なんだ?」と笑ってくれた。
「兄さま、もっとそばに来て……」
「さっきも言っただろう。お前になにかしてしまいそうになる。こうやって離れていれば、なにもできない。安心しろ。お前をすべてのものから守ってやる」
 口角を上げ、無理に笑顔を作ろうとするリディウスを見て、心臓をぎゅっと掴まれた気がした。
 兄のものになりたい。
 今すぐ、兄のものにしてほしくなってしまった。
「あの、兄さま……。兄さまが嫌じゃなかったら、なんだけど」
「なんだ。もったいつけるな」
 ギイ、と椅子のきしむ音がする。
「兄さまとほんとうの、恋人同士になりたい。心だけじゃなくって、その、体も……」
 そこまで言って、ハッとなる。リディウスがかっと目を見開いて、静止していた。
 顔が火照る。なんてことを言ってしまったんだろう。きっとリディウスはあきれている。こんなに破廉恥なお願いをするなんて、いやらしい子だと思われてしまう。
「い、今のは……」
 リディウスが自分を見損なったと思うと、まともに顔を見られない。必死で床に視線を落とし、続く言い訳を考えた時だった。
「私が我慢していると分かって言っているのだな? ……もう、いやだと言っても聞いてやれないぞ」
 リディウスの手が自分を掴む。机の上に灯された小さなランプの光に、抱きしめられたシャーディーンと兄の影がひとつになって長く伸びていた。


二人の住む家の壁になりたい
帝政ローマ時代をモデルとした時代背景の、厳格で優しい兄と動物好きで妖精のような義理の弟の甘々ラブストーリー。

弟のシャーディーンがとても可愛らしく、健気で、天使!!!
母親に連れられて新しい父のところに来たときも、母が新しい父との子を身ごもったときも、辛い目にあったときも、持ち前の優しさで一生懸命生きて行こうとするところが健気でほんわかします。

シャーディーンが新しく暮らすことになった家の長男のリディウスは、長男らしくしっかり者で、いじわるな実の弟が、シャーディーンをいじめているところに出くわしたときに、本当の弟をひいきせず、公正にシャーディーンに接してくれる素敵な人。
二人の出会いのエピソードもほんわかしていていいなあと思いました。

お互いに意識しあっているけど兄弟だし……と遠慮しあっている二人もかわいらしいのですが、思いが通じ合ってからのラブラブ二人暮らしもかわいいです!
この家の壁になって、二人の生活を見守っていたい(`・ω・´)
推薦者壬生キヨム
推薦ポイント人物・キャラが好き