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間の悪いことに、翌日は小鳥遊のモデルになる木曜日だった。放課後、美術準備室で言葉少なにポーズを取っていると、斜め前の椅子に座った小鳥遊が鉛筆を置いた。クロッキーが終わったのだろう。 |
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なによりぐっときたのは、悠馬くんのキャラクターです。まじめで素直で育ちがよさそう。いじらしくってかわいくて、手放しでいい子だなあと思える子です。 なにより素敵なのは、彼がまだ心身ともにあどけなさを残した高校一年生だということ。 悠馬くんは身体の育ちきっていないところを見込まれて、美術部部長の小鳥遊先輩の絵画のためにモデルをつとめることになります。未成熟な身体を美しく優秀な絵描きの前に晒し、写し取ってもらう。おまけに悠馬くんは冷え性なので、モデルの仕事が終わったら先輩に手をあっためてもらう。どきどきしますね。画家とモデルの関係はこうでなくっちゃという気がします。といっても、悠馬くんは純朴なので、わたしのような汚れた読者がにやにや見守っているのをよそに、甘酸っぱく憧れを育てているだけなんですが。爽やかです。でも、なんだか色気のある状況なのに本人は気づいてないって、よけいにやにやしませんか? とはいえ彼もまるきり子どもじゃありません。15歳、身体はたしかに大人になろうとしています。彼はある日、小鳥遊先輩の夢を見て身体を昂らせてしまいます。素直で純朴な悠馬くんです。体と心の乖離に大混乱で思い悩んでしまいます…… うーん。にやにやします。 と、こっちがにやにやし通しでいるうちに、美しくて優秀でちょっぴり大胆な小鳥遊先輩が、悠馬くんのことを放っておかないでいてくれるのでご安心ください。本書はBLを読みたいという欲を満たしてくれる作品でもあります。 一口にBLといってもいろいろありますが、高校生BLって、いちばんきらきらしていて王道なBLだとわたしは思います。こちらの『あたたかな掌』のきらきらは、作品のなかに流れる季節でもある初夏の印象です。きよにゃさんの文章は堅実で上質なので、悠馬くんのまじめさや素直さ、育ちのよさをより引き立てて伝えてくれて、爽やかな雰囲気を支えています。 そして、初夏はこれからよりいっそう熱を帯びていく予感に満ちた季節でもあります。先輩とのおつきあいを経て、少年だった悠馬くんがどんな変化を遂げていくのか期待しながら、わたしはこの本を読み終えました。 | ||||||||||
推薦者 | まゆみ亜紀 | |||||||||
推薦ポイント | 人物・キャラが好き |
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美術部に入部した高一の悠馬はハーフの美形で誰もが認める学園きってのアイドル・小鳥遊にほのかな憧れを抱くようになる。 絵のモデルを頼まれる合間、冷え性の掌を暖められるようになったことから二人の中は急接近し、悠馬はいつしか小鳥遊に特別な感情を抱くようになっている自分に気づくのだが―― 男同士でありながら、後輩として慕ってくれているはずの小鳥遊をいつしか性的な目で見ていてしまった自分に気づき、自己嫌悪する悠馬の幼い恋心と戸惑いがいじらしく切なく、はらはらさせられます。 叶わない恋は諦めなければ――身を引こうとする悠馬ですが、このお話はBLです!笑 どこか思わせぶりで大胆な先輩の言動はすべて、かわいい後輩・悠馬へのアプローチだったのです。 気持ちを確かめあったのだから体も心もほしい。大胆な告白と共に、戸惑う悠馬を先輩は大胆に攻めまくります。 戸惑いに揺れながらも恋に溺れていく純情な悠馬くん、そんな彼の愛らしさに虜にされていきながら文字通り手取り足取りリードしてくれる小鳥遊先輩の大胆さにどきどきそわそわ、最後はハッピーな結末にニマニマさせられること間違いなし。ばっちり王道なかわゆい男の子たちのラブラブとエッチを堪能出来る、多幸感溢れる一冊です。 | ||||||||||
推薦者 | 高梨 來 | |||||||||
推薦ポイント | 人物・キャラが好き |
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高校一年生の悠真が憧れるのは、美術部の小鳥遊先輩。冷え症で体調の悪い悠真の手を、先輩がそっと包んで暖めてくれる。そんな先輩に、絵画モデルを頼まれて……純朴な青少年の甘々BL! 高スペックな先輩が、手取り足取り、純朴な主人公をエロエロな世界に導いてくれます。上品そうに見えて、先輩の頭の中はエロでいっぱいなのです!とにかくハッピーなBLで、ニマニマした若い2人のチュッチュ感を楽しみました! 私の大好きな「体調悪い時に介抱してくれる」場面があったので、そこだけ何回も繰り返し読みました。ごちそうさまでした!! (注・宇野寧湖さんより頂いた感想を使って自薦させて頂きました) | ||||||||||
推薦者 | きよにゃ | |||||||||
推薦ポイント | 世界観・設定が好き |