司祭になるために全寮制の神学校に入ったアドルフは常に不満だった。 自分はここに好んでいるわけじゃない、なんでやりたいことができないんだ。 そんな彼のルームメイトは年下で飛び級をしてきたクルフ。彼は純粋に司祭に憧れ、司祭を目指すために頑張ろうとしている。 アドルフはクルフに不満といらだちを感じていた。 この気持ちは、自分との意識の差を感じているんだ。そう自分を納得させていたアドルフだったが、入学初日の夜、クルフに手渡されたシスターからの手紙を盗み見る。そこから彼が考えたこともなかった世界が、周りのみんなのもう一つの表情が現れ始める。
クルフが、妹が、絡んでくる同級生が、そして担当の司教さえも彼の知らないもののように。
ちょっとだけミステリーのヴァンパイア物語。
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