尼崎文学だらけ
ブース 評論A
Re.set
タイトル パコられ
著者 ゆにっとちーず
価格 800円
カテゴリ 恋愛
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紹介文

初恋の人…紗倉さんから、手紙が届いた。
学生時代に対人関係で上手くいかなかった主人公を励まし、世界に光を与えてくれた女性から。
喜んで彼女との待ち合わせ場所に向かうと、そこにいたのは…何もかもが変わり果て、惨めな姿を晒す紗倉さんだった。
導かれるままに廃屋の喫茶店にたどり着き、全裸になった彼女の全身の傷痕と打たれたピアスを見て、
一体何が起きたのかと混乱する主人公。

「……私を、助けてくれる?」

その問いにうなずくと、記憶の濁流が主人公を飲み込んでいく。
大切な初恋の子が、貫かれ、辱められ、汚され、ボロボロにすり切れていくのを、何度も何度も…見つめることになった主人公のたどり着く先は――。

※Windows用18禁ノベルゲーム

……子供の頃、仄かに恋心を抱いていた女の子から手紙があった。
紺野惇(こんのじゅん)様――。
あの頃と全くイメージが変わらない。
白い便せんの上に清楚な字で書かれた文章は、僕の感傷を心地よく引っ掻き――。
……あの重苦しく、けれど同時に幸せを得た幼少時代を思い出させてくれた。
あの頃。
自分の中でくすぶる暗い炎に炙られただ身を焦がすだけだった日々――。
僕は常に怒りに苛まれながら生きていた。
自分も、自分の周りの者もすべて思い通りにいかず、そして思い通りにならない理由がわからない。
理解できない。どうして。
何か言おうとしても、そもそも誰も僕の言葉に耳を傾けてくれない。
僕はただ鬱憤を溜め込むしかなく、そして誰かを恨んでいなければこの世から消えてしまいそうなくらい、自我が酷薄だった。
自分は誰よりも物事を深く考えていて、誰よりも何よりも、なんでもわかっているのに。
誰もそれに気がついてくれないし、僕を見てくれない。
僕は優れすぎている。感性が鋭利すぎるんだ。
僕は……受け入れられない。
…そんな考えが、ある日を境にグルリと反転した。