尼崎文学だらけ
ブース 評論A
Re.set
タイトル 海外の戦争廃墟を見に行く本
著者 りりあ
価格 500円
カテゴリ 評論
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紹介文
ポーランド フランス シリアの知られざる(?)戦争廃墟を見に行くためのガイド本。
お気楽観光気分で行ける初心者向けの物件をチョイス(ただし、シリアを除く)これであなたも廃墟探索デビュー!

【気軽に行ける、とか紹介したな。あれは嘘だ】

 これを作ったあと、程なくして情勢不安により、シリアには気軽に行けなくなってしまいましたが、
忘備録として懐かしんでいただけたら幸いです。

 また当時のシリアから周辺地域(ヨルダン・イラク)の国境越え情報と、
行けなくなってしまったオマケでイスラエルのパレスチナ自治区のミニガイドを追加して、
誰得感が20%ほど増量してます。

十年以上前、インターネットで廃墟の写真を見て以来、『廃墟萌え』の一員となってしまった私。「いつかは行きたいなぁ」と想いに耽るも、廃墟探索には数々の危険と『不法侵入』という罪と隣り合わせ。さらに、廃墟の殆どは郊外にあり、車が必須。運転できない人間が廃墟探索など、容易なことではなかった。
 そこで思い出したのが『友が島』。大東亜戦争時、砲台が設置されていたこの島は、終戦後、観光地化。海水浴やバーベキューを楽しめるレジャー施設となっている。もちろん、砲台跡や武器庫跡など、当時のレンガ造りの建物も当時のまま残されている。ここなら不法侵入にもならず、なおかつハードルも低く、お手軽に廃墟気分を味わえるのではないか?
 それから始まった私の廃墟探索。日本の戦跡を求めて沖縄や小笠原諸島まで行くが、何か物足りない。
 そんな折、思いがけずにタイへ旅行することになり、ガイドブックで目にとまったのがこれだ。
『戦場にかける橋』の舞台−カンチャナブリ
 何かのヒントを得え、片っ端から国際情勢の本をナナメ読みし、世界の戦争廃墟を調べあげる暗い毎日。本を読むごとに増えていく世界地図の×印を眺めながら「行きてぇなぁー」と旅行カバンを磨きつつも、実際に訪れた場所はまだ数箇所。それでもたどり着くまでの数々の試練と道のりは自分に異様な満足感を与えてくれた。
 ……って、ただ単にバックパッカーしたかっただけかいっ!?
 さておき、そんなところに声を掛けてきたのは海外の廃墟のステキな写真を発刊している『廃墟探索部』の、チェルノブイリにも北朝鮮にも行ったことがあるのに合コンには行ったことがないという変人酋長の稲葉渉氏。
 互いの変態さ趣味・趣向にリスペクト、なんだかんだで意気投合。梅田の裏路地の安居酒屋で桃園の誓いを交わし、勢いだけで誕生してしまったのがこの本だ。
 『廃墟は好きだけど、実際に行くのは怖いな』という子猫ちゃん向けに、どの廃墟も『海外』というハードルはあるものの、比較的訪れ易く安全な場所を紹介している(つもり)
 戦跡ばかりなのは前述の通り、私の廃墟探索能力が『ヘタレ』のため、安全性を考慮した結果、そんな場所になってしまっているだけ。
 決して憲法9条をお題目として唱えるために訪れているわけではないのであしからずご了承いただきたい次第であります。(よく勘違いされるのよ)


レッツ廃墟!
実はわたしも戦跡めぐりが大好きで、この本を見つけたときには
「これは!わたしのための本!」と思ってしまった。いそいそと手に取って
読み始めると、期待を上回る情報量の多さであふれる魅力に
くらくらした。わたしも学生時代留学していたこともあって、ドイツの
強制収容所などいくつか訪れたりしたのだが、ここに書かれている場所には
どこも行ったことがなくて、何故!あのとき行っておかなかったのか!!と
悔やまれるばかりであった。(アウシュビッツにくらい行っておけ……)
それにしても、すごい行動力である。わたしだったら(というか、ふつうの人だったら)
ビビってとても行けないような場所に身ひとつで飛びこんでいくガッツ。
まじで見習いたい。この人はどこに行っても生きていけると思う。
地球の歩き方よりもある意味かゆいところに手が届く。戦跡が好きな方も、
あまり意識したことない人も、ぜひ。
推薦者第一回試し読み会感想
推薦ポイント物語・構成が好き

参考にして廃墟を楽しみましょう。
3ヵ国の廃墟の話や治安の話
小ネタなんかが楽しい語り口調で
書かれていて、とても楽しめます。
個人的には、クリストファー・クロスがいそう。の
一文、めっちゃ惹かれました。
推薦者第一回試し読み会感想
推薦ポイント表現・描写が好き