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冷たい空に、半分だけ満ちた月が冴え冴え輝いていた。それを映す水面は静かで、時折瞬くように揺らめいた。 |
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普段小説などを読まない私。友人に薦められ、読んでみると、その手が止まらない!!主要人物だけでなく、脇役の皆さんまでも魅力的で、一気に世界観に惹き込まれます!難しそうな世界観ではありますが、そんなことはなく、むしろ読みやすいです!作者の思いもこもってますし、伝わってきます。私のお気に入りの1冊で、ぜひ皆様にも読んでいただきたい1冊です(*´`*) | ||||||||||
推薦者 | 桜うさぎ | |||||||||
推薦ポイント | とにかく好き |
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圧倒的な文章力と、登場人物の魅力にひかれてぐいぐい読むことが出来ました。 とにかく面白い!愛嬌のある登場人物や、彼らの心境、葛藤。この先どうなるかという期待から、ページをめくる手が止められません。 中華風ファンタジーということで難しそうな印象を受けそうですが、各設定が適材適所で書かれているため、混乱することはありませんでした。 主要人物の奥深さもさることながら、脇役扱いになる登場人物ひとりひとりの言動にもドラマを感じ、『ちょい役』によくある『薄っぺらさ』は感じません。読み専の人はもちろん、執筆活動に勤しんでいる方でも納得できる一冊だと思います。 読み終わった後の満足感、そして、書き手特有の「負けてられない!」という執筆意欲が得られる貴重な一冊です。 | ||||||||||
推薦者 | 氷梨 えりか | |||||||||
推薦ポイント | とにかく好き |
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本を読むこと自体はずっと好きなのに、いつしかファンタジーというジャンルからは遠ざかっていた。 そんな私を再びファンタジーの世界へと誘ってくれた一冊。それが、紺堂カヤ著『口笛、東風となりて君を寿ぐ』である。 舞台は架空の国、崙国。崙国の郡部の一つ、志知郡の若き郡主・尊 慶を主人公に、郡と国との対立、国と国との駆け引き、そして人と人との関わりをダイナミックに描いた力作だ。 読みだすとまず驚くのは、設定の緻密さである。国、郡、政府の機関、役職などが破綻なく組まれている。作中の導入部で解りやすく説明されているが、それでいて説明臭くならず、すんなりとストーリーに入れ、筆力を感じる。「設定が甘いのはイヤ」という人も「説明がくどいのはイヤ」という人も安心して読める。 そしてストーリーに入り込んでしまえばあとは「一気読み」必須! 飽きさせない展開、登場人物たちの葛藤や成長、ときに笑えてときに泣けるシーン描写。語りたいポイントはいくつもあるが、特筆すべきは登場人物の魅力だ。 主人公・尊 慶。まっすぐな正義感と、周囲を信じる目を持って民のために全力を尽くす。 慶を支える女性官吏、玄 葉。頭脳明晰、冷静沈着。過去に向き合いながら存在価値を模索し続ける。 慶の親友であり盾である、呂 信影。軍の重役にあり、精神的に強くもあるが、ある種アンバランスな二面性を持つ。 三人の互いを思い合う気持ちが、政治や戦争という大きな波に巻き込まれながらも決して失われず輝いている。 三人のほかにも、脇を固める人たちもとても魅力的!イラストも必見である。 どの登場人物においても、一人一人が実に生き生きと、そして胸が苦しくなるような思いを持って描かれている。 郡主である慶が「みんなを幸せにしたい」と願うその思いが切々と読み手に響いてくるのは、そうやってすべての人に対し作者が手を抜くことなく書ききっているからだろう。 そう。国同士のあれこれが絡むストーリーだが、作者がこの作品で描き出しているのは徹底して「人」だと感じる。誰かを好きになること、自分自身や他人との齟齬に葛藤すること、犯してしまった過ちに対する後悔、どうにもできないことへの悲しみや怒り、そして、大切な人に幸せになってほしいと思うこと、そばにいてほしいと思うこと。それを象徴するラストシーンまで、ぜひ読んでほしい。きっと読み終えたあと、あなたの心に口笛の音が染み入り、優しい東風が吹くだろう。 | ||||||||||
推薦者 | 伴美砂都 | |||||||||
推薦ポイント | 人物・キャラが好き |