出店者名 浮草堂
タイトル K〜Hades The End〜
著者 浮草堂美奈
価格 200円
ジャンル ファンタジー
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紹介文
戦争屋の一族、K家。
長たる男は、息子を恐れる。
やがて吹き上がる謀反の噂。
血塗られた一族は、如何にして男同士の決着をみるか―。

 そうなるまでに、一週間でよかった。当然、こちらが包囲する側だ。
 これがKだ。
 THUKIは自軍の陣で、深く頷いた。
 もうすぐ、敵軍は墜ちる。
 昨日は二番目の弟、ROKEが霊魔滅殺隊を率い、敵のトロールの鉱山を廃墟にした。
 同じ日、末の弟、KOSEが、人機滅殺隊を率い、敵軍の戦車隊を壊滅させた。
「YOKI!」
「分かった! 親父! 俺が先陣だ! 突撃ぃいいい!」
 兵糧攻めなどしない。突撃につぐ突撃を。
 勝負は迅速に、そして、残酷に。
 YOKIがオレンジの髪にヘルメットを被り、疾っていく。
 すぐさま敵の弾丸が、YOKIを狙って降り注ぐ。
 YOKIは太刀を抜き。
 それらを、斬った。
 あり得ない、と敵軍が唖然とする。
 無理も無い。
 前回、弾丸を斬ったところを見た兵は、もうみんな死んでしまっているのだから。
「バリケード落とせええええ!」
 三千は超えるであろう、敵軍に向かい、YOKIはかっと口を開いて怒鳴る。
 AK47のコピーを握りしめ、敵兵は一斉に撃ってくる。
 砂塵に視界が悪い。
 風が熱い。
 この熱風は、敵軍の生きたいという、意思だ。
 命のあらんかぎりの叫びだ。
 それを、YOKIは、一閃した。
 敵兵の首や胴体と同時に、三十メートル先の敵軍の籠るビルまでが、一刀両断される。
 太刀の剣圧で、斬ったのだ。
 YOKIの剣圧は、何十メートルもの先を両断する。
 大丈夫だ、俺にもできる。
 知らぬ間に、THUKIは自分にそう言っていた。
 何だ、今の言葉は。
 胸中で言った言葉が、信じられず再び胸中で自問する。
 勝鬨の中、THUKIは顔に手を当てる。
 俺は何を恐れている?
「負けそう?」
 顔に手を当てた儘、背後からした甲高い声に振り向いた。
 振り返った先には少女が居た。