出店者名 博物館リュボーフィ
タイトル Beautiful Days〜碧の日々〜
著者 まるた曜子
価格 600円
ジャンル 恋愛
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紹介文
わたしたちはゼロ距離で許しあうけれど
重力と向心力と孤高を併せれば
最適解はいつも遠距離。
あなたと一緒にいたいから、わたしはひとりで翔ける――

【羽化待ちの君】続編
あいかわらずパーソナルスペース極広の橙と、
彼女を取り巻く人々のあたたかで穏やかな交流を綴る日々。
要と橙を繋ぐ徴。静謐な巣。ゆるりと育む《生活》。
物理と心理的距離の最適解を模索しつつふれあう中で、
彼女は目指した『大人』になれたのか。


※《橙と要》シリーズは
自分第一な叔父としっかり者の姪の、禁断も耽美もない『生活』が主軸です。
シリーズ完結済。秋に拾遺集発行予定。

 分かり易く対象外にしてもらう方法ってないかな、という橙の言葉に莉々子は眉を上げた。またなにかあったのか。橙は時折、面倒なのを引っかける。弱々しい訳ではないが、ちょっとこう儚げな感じが、いい時は庇護欲、悪ければ嗜虐欲を煽るのだろうなと莉々子は推測している。セカンドインプレッションが押しかけ看病だったので、莉々子は今更騙されない。橙は結構頑固でしたたかだ。
「エー、指輪じゃない? おそろい指輪。間違いないね」
 とにかく具体案を出してみる。ただし「指輪関係なく絡んでくるのいっぱいいるし、むしろワザと狙うロクデナシもいそうだけど」と続けて、橙の反応を待った。おお、と顔が明るくなって満更でも無さそうだ。が。
「指輪かあ……。要さんに言って、通じるかなあ」
 今更過ぎて、話題に上げるの白々しいなあと、口角が下がる。
「結婚しないの?」
 何気ない質問に、橙がしまったという顔を向ける。
「あー、うん、えーと、できないの」
「はあ? 歳の差で親に反対されてるとか? いやこっちももう、そんな歳でもないか。実は水原さんに正妻がいて、ともるんはあいじ…ん………」
「えっ」
 かなり思いがけない推測だったらしい、橙に絶句された。そのまま笑いだし、やがてどうしようかなと俯いた。
「あのね、要さんのせいじゃないの。―――りりちゃんに、軽蔑されるの、怖いな」
「何さ」
 ギクリとした。それはまるで自分が秘めてきたものに通じる。
「えーと。私、姪なの。要さんの姉が、私の母」
「はあん?」
 一瞬、言われたことが理解できず止まった。なにか駄目なところがあったか? あんまり聞かないけどそれは。
「―――三親等か!」
 社会科で習った婚姻のモデル図がさあっと記憶から浮き上がる。と同時に目の前の事例より姪に手を出したサイテーな叔父という映像が脳内を駆け巡った。表情が険しくでもなったのだろうか、橙が慌ててフォローしてくる。
「他にいなかったんだよ、どうしても」




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