出店者名 つばめ綺譚社
タイトル Re:17
著者 伴美砂都
価格 100円
ジャンル 掌編
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紹介文
個人ブログに掲載した処女作「milky way」ほか、初期に執筆した三編の短編集。
収録作品:「milky way」「Crazical Trip and...」「Scene1」

久しぶりに夢を見た。暑い夏の午後。夏休み、食べてたかき氷。入道雲とあおぞらと木の影が鮮やかに濃くて。あなたの言葉も鮮やかに・・・・・・あたしの手から滑り落ちたかき氷。PlayboyのTシャツの白いウサギの瞳に、イチゴの赤い涙が落ちた。


携帯のアラームで目が覚めた。そうだ、今日から夏休みだ。仕事に向かう電車の中も、少し空いてるだろう。


あたしは普通に中学校を卒業して、普通の女子高に入った。入学式の日、退屈な話と静まり返った体育館は中学とあんまり変わらなくて。同じように前を向いた新入生の列の中で、あなたの横顔と長い睫毛が綺麗でずっと見てた。

「わたし、リカ、里ってゆう字に御伽話の伽、それで、里伽。よろしく」

――あたしはカオリ。香織。
それだけのひとことがすぐに出て来なかったのはきっと、緊張してたからだけじゃなかった。


あたしが女のコしか好きになれないって気付いたのは、小学校六年生ぐらいだった。周りの子達が楽しそうに話す好きな男の子の話に付いてけなくて、アイドルの女の子の下敷きばっかり集めて眺めてた。
「悩むことじゃないわ。その気持ちはきっと憧れで、今にあなたにも好きな男の子ができるわよ」
保健室の先生は微笑って言ったけど、あたしはなんか違うってずっと思ってた。クラスの女の子のサラサラの長い髪とか、見てどきどきするなんて憧れってゆうのじゃないって思ったから。でもそれは誰にも言っちゃいけない気がして、あたしは黙って頷いたのだけれど。

あたしと里伽はすぐに仲良くなって、学校ではいつも一緒に過ごした。お昼もいつも一緒に食べたし、帰りも駅まで一緒に歩いた。高一の夏はみんなで花火見に行って、色違いの浴衣着て歩いた。グループの中であたしたちは特別、仲良し。そう思うとたまらなく嬉しかった。あたし達はなんでも話したけれど、あたしはいっこだけ里伽に訊けなかった。

「好きな男のコはいるの?」