不変の音色

世界中で彼らの音楽が鳴っていた
私の知らない時代
煙った時代になって今
小さな四角いウォークマンを命綱にしている
私がいる
こんな小さな壊れやすいものを

疲れたから河原に座ろうよ

青いものが見えるの
彼女は云った
遠くを見ながら
神経が脆弱であることは
人間として劣っていますか
もっとあからさまに問うと
それは罪ですか
目の前に広がる景色の向こうに
青いものが見えるの

世界は美しい

空を見上げるといつも
めまいを起こす
何処までも続くような虚無の曇でも
眩しすぎて天井全体に広げた
すべらかな晴れの空でも

晴れの空
晴れの海

何処にもいけない
なにも変わらない

ヴァイオリンの音色がきこえる
no one was saved
all the lonely people



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